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  1. 大分県議会 1994-06-01
    06月29日-03号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成 6年 第2回定例会(6月)平成六年    大分県議会定例会会議録(第三号)第二回平成六年六月二十九日(水曜日)     ----------------------------- 議事日程第三号        平成六年六月二十九日     午前十時開議第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 出席議員 四十四名  議長  友岡春夫  副議長 三浦良隆      後藤国利      後藤利夫      安部省祐      佐藤 錬      阿部英仁      堀田庫士      中島和靖      川添由紀子      盛田智英      諌山秀夫      和田至誠      荒金信生      佐々木敏夫      麻生一三      岩尾憲雄      日野立明      古田き一郎      長尾庸夫      牧野浩朗      安部紀昭      仲道俊哉      古手川茂樹      長田助勝      壁村史郎      相良補三郎      池田秀人      本多睦治      永吉 凱      首藤健次      堤 隆一      麻植敏秀      岡村泰岳      山田軍才      緒方喜代美      内田淳一      吉山和人      相良勝彦      浜田 博      木許 晃      古屋虔郎      柴田 明      重野安正 欠席議員 一名      馬場文人 欠員 二名     ----------------------------- 出席した県側関係者  知事     平松守彦  副知事    堤 新二郎  出納長    橋本 晃  教育委員長  清水喜徳郎  総務部長   池辺藤之  企画総室長  木内喜美男  企業局次長  田島恭三  教育長    帯刀将人  警察本部長  小堀 豊  福祉生活部長 魚返敬之  保健環境部長 二宮正和  商工労働         飯田益彦  観光部長  農政部長   河野利武  林業水産部長 坂本陽一郎  土木建築部長 矢野善章  人事委員会         中村信幸  事務局長  監査事務局長 小原井辰治  地方労働委員         荒瀬範己  会事務局長  総務部次長  染矢英丸  財政課長   溝畑 宏  秘書課長   外山邦夫     -----------------------------     午前十時四十四分 開議 ○三浦良隆副議長 これより本日の会議を開きます。     ----------------------------- ○三浦良隆副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。     ----------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○三浦良隆副議長 日程第一、第五三号議案から第六六号議案まで及び第二号報告から第五号報告までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑にはいります。 発言の通告がありますので、順次これを評します。 安部省祐君。 〔安部(省)議員登壇〕(拍手) ◆安部省祐議員 二十一世紀を目前に控え、時代の大きな転換期、過渡期を迎えている今日、経済活動や生活習慣は大きくさま変わりしようとしており、時代の流れはますます加速し、多方面で大きな変化を迎えつつあり、政治の分野もご多分に漏れず歴史のはざまにおかれ、その行く末も不透明さを増してまいりました。 つまり、戦前、戦後から戦後復興期、高度成長期、そして幾つかの危機を乗り越え安定成長期を迎え、いつしか世界の中の日本の位置が上昇するにつれ、人々の生活や考え方にも変化が見られるようになりました。先行き不透明さを増す中で、逆に、二十一世紀という言葉の持つ響きは明るく豊かで、希望に満ちたものであります。多方面で問題を抱える大分県にあって、まさにこの二十一世紀という言葉は必要でありましょう。そして、この言葉のごとく光輝く二十一世紀に向け大分県も大きく脱皮し、発展を遂げていかなければなりません。 今ここに来てようやく実現しようとしている大分駅高架、鉄道立体交差の問題も、二十一世紀に向け確かな歩みとともに前進していかなければなりませんし、一日でも早い完成を願い、県都大分市のまちづくりが大きく前進することを期待したいと思います。 振り返ってみますと、大分駅高架の問題も、今を去ること二十四年前の昭和四十五年四月三十日に、大分市国鉄路線高架化促進期成同盟会の設立総会によって産声を上げました。相当額の投資を必要とする大分駅高架の問題は、認識が始まり、取り組みを始めて以来、約二十四年間にわたり多方面にわたり議論もされてきました。この間、国鉄からJRへの民営化問題や経済条件の変化など変遷はありましたが、平成という新しい時代にはいり、これまでいろいろな紆余曲折を経ながらもようやく条件整備が整いつつあり、この問題も決着を見ようとしております。 当時の県都大分市は、住民登録人口によれば世帯数七万四千二百八十七世帯、人口二十五万九千六百十一人、車両台数四万三千二百六台でありました。ところが本年は十五万二千六十五世帯、四十一万七千九百二十一人、車両台数で二十八万八百四台となっておりまして、世帯数で約二倍、人口で約一・六倍、車両台数については実に六・五倍にもなり、これまでの二十四年間の足取りは確かに拡大基調を続け、都市部が急速な発展により年々、周辺部へ広がりを見せる中で、その結果として、急速な都市化による渋滞や発展の不均衡、新たなる障害等の発生により問題も登場してまいりました。 また、昭和四十五年から現在に至るまでのこの間、議会での質問、議論は、昭和四十七年に初めて一般質問がなされて以来、実に四十数回を超え、その質問、答弁等の内容も時代とともに大きな変遷があり、長年にわたる懸案事項としてようやく入り口に近づいたという感があります。 しかし、これから完成までの日々を考えるならば、通算で約四十年という日々を費やすことになり、長期を要する行政の事業の中でもまさにビッグプロジェクトであると言えます。他県にも例を見ないほどの長い時間を要した懸案事項がまさにこれから日の目を見ることとなりますが、ある意味で大分県の流れを端的にあらわした事項のようでもあります。道路問題についてもしかり、地域活性化の問題についてもしかり、さまざまな問題についても条件整備に相当の時間を要し、他県と比較して大きなおくれをとってしまった感があります。 しかし、おくれて進んできた分、新たなる進め方や問題点の整理をし、他県よりよりよいものにし、まさに大分県は今まではいろんな面でおくれをとってきましたが、これからはおもしろい、変化を期待することができる、魅力のある県であると言われるように、また変化や進歩を好む若者にとっても魅力あるまちづくりを進めていかなければなりません。 私も、この一般質問で再三にわたり大分市の問題について指摘してまいりました。特に重要な問題としての大分市内に、都市を分断する大きな障害がJR、上野の山、大分川と三つ存在しておりますが、その問題解決は当時からさほど進展しておらず、南北交通の渋滞、発展や都市基盤の整備の不均衡などが発生をし問題解決が後追いになるなど、多方面にわたり行政施策の大きなおくれを現在、県民は感じているのではないでしょうか。その一つが今実現しようとしているわけであります。 今まさに二十一世紀を目の前にしている現状で、行政が取り組むべき県都大分市の都市づくりについて考えてみますと、都市というものの役割は、住民のニーズが多様化する中でますます大きくなっていくであろうと思われます。高齢化の進む現状では、むしろ高齢者は農村、山村、漁村で生活する人々、つまり生まれ故郷を大事にそこで生活していく人々と、逆に都市へ流入し、便利な生活やその環境を求め定着していく人々とが二極分化し、その上、都市の持つ吸引力がますます増加し、郡部から都市部へ人口流入をするようなことになり、集中することも考えられますし、まして若者といえば、魅力や職場を求め都市部に出ていくことでありましょう。 このようなことを考えていきますと、二十一世紀における都市像、都市というものの役割は、今まで以上に経済、社会、文化活動等の重要性が高まることは言うまでもありませんし、結果的に都市が拡大し続けていくならば、今後とも日本のその地域全体が一つの都市化社会を形成していくということも考えられますし、またそのスピードが強められていくでありましょう。また、そのような施策をとっていかなければ、周辺の農山漁村部はますます衰退をしていきますし、取り残された部分になる可能性を秘めているとも思われます。 つまり、現在、都市は人間居住の普遍な場の一つとなっておりますが、さらに二十一世紀においては人間居住の主要な場になっていくことは明らかであります。なお一層、今後の都市、まちづくりを考える場合には、中心都市と周辺市町村とを一体とした都市づくりやその考え方が必要になってくると思われます。 そこで、大分県は、大分市を県都としての役割を考えることは当然のことであります。さらに、地勢的に見ても東九州地域の中心都市として社会、経済活動、また産業都市としての大分市の役割を考えることも当然であります。今後とも東九州の中心、大分県の県都としての役割がますます発展し、重要性を持つことも予測されており、特に大分駅周辺地区を、大分都心全体の将来像を踏まえた都心発展のために県は新しい都心ゾーンとして位置づけ、整備、発展を進めようとしております。 その中で最も主要なる事業として、鉄道高架事業が上げられます。単に南北間を結ぶ駅高架だけでなく、いつしか駅裏と言われ出した駅南地区が、わずかに主要道路が通る地域の周辺のみを除き、発展を続ける大分市の位置づけの中から消えてしまい、取り残されてしまいました。結果的に大分川から白木までの間は北高南低という形ができ上がってしまい、表と比べ裏という印象が本当に強くなってしまっている現状を打開するには、この駅高架事業は最大限の力を発揮することでありましょう。 県都として、大分県の顔として、中心部にこのような地域をつくってしまったことは大きな問題であると言えますが、この地域の住民からしてみれば、まさにこの機会が新たなる発展の第一歩となります。 このような性格を持つ鉄道高架事業については、先日の執行部の説明の中で、「高架区間については日豊線で西大分駅付近から大分川左岸までの約四・九キロメートルについて検討を行ってきたが、西大分駅周辺は、鉄道南側において丘陵地が迫っており、開発の予測が薄く、高架化による鉄道南北周辺市街地の一体的整備が望めず、さらに西大分周辺各種プロジェクトの具体性が乏しいなどの地形的条件等からして、西大分駅の東側の都市計画道路生石椎迫線・中島踏切から大分川左岸の約三・六キロメートル区間で関係機関と事業化に向け、協議を進めている」と報告がなされました。 大分市民はもちろんのこと、県民全体の関心事である鉄道連続立体交差事業は、その後、協議がどこまで進み、どのようになっているのか、事業概要並びに事業化に向けたスケジュールについて、この約二十四年の長きにわたる経緯の総括として駅高架の問題、周辺整備の問題についての考え方、決意のほどを知事にお伺いしたいと存じます。 また、その報告によりますと、区間が当初の約四・九キロメートルから三・六キロメートルに縮小されることとなり、縮小された区間には、以前にも指摘をしました県道高崎大分線・御幸ガードと都市計画道路生石椎迫線・中島踏切という二つのネックがそのまま残ることとなり、将来に問題を先送りすることとなります。 これまでもネックにより発展を阻害されてきた八幡地区住民にとっては大きな遺恨を残すことともなりますし、何よりもガードが低いために高い消防車がはいれない状況が一向に改善されず、地域住民期待のネックは解消されません。なおさら、大分自動車道アクセス道路としての市道大分港賀来線の改良実現や、中心部を通過することなく別府方面ヘバイパス的な役割で交通量が増加する一方の県道高崎大分線はますますその役割を増し、住民にとっても危険度や不安度が増してきております。 同様に、都市計画道路生石椎迫線・中島踏切も、年々増加する交通量により踏切が大きなネックとして問題視されてきており、この周辺地域住民の問題意識が二つのネックに集中されることも考えられます。 当時の質問に対し土木部長答弁では、「ガード区間を改修するためには、鉄道橋を上げる場合には西大分駅を含む貨物ヤードをあわせてかさ上げしなければならず、非常に大規模な事業となります。また、道路を切り下げる場合には、国道一〇号との交差点の取りつけが急勾配となるだけではなく、ガード付近で本県道と接続する三つの市道との取りつけが困難となります。したがいまして、高崎大分線の当該箇所での改良は非常に困難でありまして、特に高さの高い大型の車両につきましては、当面、都市計画道路生石椎迫線に迂回していただくこととなりますが、ご了承賜ります」とありました。 この答弁により、ある意味で落胆した地区住民は、高架の問題が約四・九キロメートルと新聞報道されたときには大きな期待と喜びに沸いたものでありました。 西大分地区の長年の懸案事項であり、念願でもあるこの問題解決、そのバランスのとれた地域発展への取り組みについて、また西大分駅付近が高架されることにより駅南側の地区の発展のための一部として道路整備がなされ、地域発展の起爆剤として期待している地域の現状を踏まえ、今回のこの地域の二つのネックと交通処理を含めた沿線の生活環境整備についてはどのように考えておられるのか、あわせてお伺いしたいと存じます。 次に、駅高架の沿線の生活環境整備という点でも関係のあります大分公園構想についてであります。 二十一世紀を目前にした今、労働時間の短縮に伴い余暇時間が増大していることや健康増進に対する関心の高まりから、人々のスポーツやレクリエーション活動への志向はますます大きなものとなっております。最近のジョギングブームJリーグ人気を見ておりますと、人々がより身近なところで日常的にスポーツやレクリエーションを楽しみたいと考えていることがよくわかります。また、今後、全国的にかなりの速さで高齢化が進むと言われておりますが、茨城県鹿島町に見られるような地域の活性化を考える上でも、スポーツの振興は大きな意味を持つと言えます。 本県におきましても、豊かな自然を生かしたスポーツやレクリエーション活動が盛んになってきており、スポーツを通じた地域間交流地域活性化の運動が数多く見られるようになってきております。こうした状況の中、私は、都市において人々が気軽に利用できる公園が持っている意味はますます大きくなってきていると考えますし、町の顔とも言えるようになってきているとも思います。 公園は、子供たちにとっては交通事故のない安全な遊び場となりますし、高齢者にとっても同様の意味を持ち、ましてこの場が地域の社交の場ともなり得ます。もちろんスポーツ大会等イベント広場にも活用でき、憩いの場とも兼ねた存在であり、まちづくりのかなめとなるとも言える施設であります。 ちなみに、県下の公園の整備状況を見てみますと、施設の問題は質的にも量的にもまだまだ満足のいくものとは思いませんし、特に運動施設についてもまだまだ不十分と言えます。身近な施設については、本当に気軽に、とまでは到達していないような気がいたします。 近年、日田市や佐伯市を初め県下各地にも、すぐれた規模の競技用の施設が整備されつつあります。今後、二十一世紀に向けてますます増大する県民のニーズに対し、より身近なところで日常的にスポーツや公園という憩いの場所そのものを楽しめるような施設整備が必要になってきますし、何よりも競技スポーツを行う際には、全国に通用するようなレベルの高い選手を育成するためにも、質の高い競技場やその種目専用の施設整備をしていくべきであると考えております。 幸いにも、二巡目国体をにらんだ中で先日、大分市松岡・横尾地区に建設計画が発表されました大分県スポーツ公園は、その基本的な考え方の中で、「一、都市近郊の公園緑地として自然環境の保全をできるだけ図りながら、安全で快適な環境の中での日常的なスポーツ、レクリエーション活動が行える公園とする、二、また幅広い年齢層の人々がそれぞれの目的や能力に合った健康、レクリエーション活動が可能な施設を持ち、生涯スポーツの拠点となる広域的な公園とする、三、本県のスポーツ振興を目指した中核的な競技施設を整え、かつ、競技スポーツのレベルアップを図るための指導者の育成及び選手の育成ができるスポーツ公園とする、四、大分県が招致を進めているワールドカップサッカー等の国際大会や二巡目国民体育大会の会場としても対応のできる機能及び施設を備えた、本県におけるスポーツ文化の創造を図る上での中核的なスポーツをテーマとした交流の場としての役割を果たす総合運動公園とする」とあり、子供から高齢者に至るまで幅広い県民が気軽に利用でき、しかもハイレベルの競技も可能な施設整備は、二十一世紀に向けた県民に大きな夢を与えることとなりますし、多様化し、ますます高まるでありましょう県民のニーズにも合致することとなり、大変喜ばしいことでもあります。 しかしながら、このスポーツ公園の明とは逆に、昭和六十一年に広域公園として大分市、挾間町にまたがり二百二十一・五ヘクタールの規模で都市計画決定されました大分公園は、これまでの約十年間、公園としての施設整備はもちろん何もされておらず、網をかぶせたままの状態が続いており、大規模宅地開発を抑制すべく何度か行政指導を行ってきた経緯があるとは聞いておりますが、結果的にはむしろ置き去りにされてしまっているような感があります。 公園の整備をと望む地元の期待とは裏腹な結果となっておりますことは大変残念なことでありますし、スポーツ公園構想の中での候補地として挙がったときにも、地元としてはチャンス到来と喜んだわけでありますが、結果的には残念なこととなってしまいました。 この構想が決定した昭和六十一年当時は、今のスポーツ公園を決定する条件とは逆に、スポーツ公園の隣接となる高尾山公園は、県民全体が利用するには交通の便が悪く、主として大分市民が利用する公園として位置づけられました。広域公園としては交通ネットワークを考慮した位置に設定することが最良であり、それゆえに候補地を絞り込み、国立公園であり、野生猿で有名な高崎山自然動物園大分生態水族館、伝説の島瓜生島を控えた海水浴場や別府湾ウインドサーフィンの着地である田ノ浦海岸、また桜の名所仏崎、あるいは白木のゴルフ場やスポーツフィッシングの放生池等の諸施設を取り込む地域で、別府湾を一望でき、景観的にもすぐれ、広域公園としての要素を十分持っている神崎地区、すなわち大分公園が最適地と考えられる。加えて、この地区は、九州横断自動車道や北大道路の開通が六十年代前半に予定され、また別大国道の六車線計画の中で交通の便にもすぐれており、民活を加え、県民全体が子供から老人まで数日かけて楽しめる全国にも例を見ない広域公園を計画するものである、としております。いかに十年間で状況の変化があるにせよ、当時の計画決定の経過からするならば、当然この大分公園構想に何らかの方向性や具体的な動きがあってしかるべきでありました。また地元も、これだけの要件を具備する立地はなく、公園やスポーツ施設の整備をと強く要望しており、大きな期待も持っております。 今回のスポーツ公園の位置決定により、その建設が推進されていくならば、これから、先に指定された広域公園としての大分公園の位置づけがどのようになっていくのか、また将来的にもこの大分公園として網をかけられている地域をどのようにしていこうとしているのか、地元関係者とともに大きな危惧や懸念を持っております。今後、大分公園をどう考えていくのか、開発等の動きが生じたときにどう対応していくのか、その方向性についてお聞きしたいと存じます。 また、大分公園に計画されているスポーツ施設については、特に周辺住民が待ち望んでいるものであり、その整備方針についてもあわせてお聞きしたいと存じます。 最後に、長期にわたる行政施策の中において、時代の流れが急激に変化を遂げる中、実情に合わせた政策を最大限の効果を出すためには、あるときには施策の見直しやスクラップ・アイド・ビルドによりリストラ、再構築する勇気と、真に県民に対し最大のサービス業である行政が実現され、スリムで最大限の実行効果が発揮されることを要望し、期待をいたしまして、以上で私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○三浦良隆副議長 ただいまの安部省祐君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 安部議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 まず、大分駅高架事業の概要及びスケジュールでございます。 二十一世紀に向けました県都大分市の魅力ある都市づくりを進めるためには、大分駅の高架化を図り、あわせて周辺地域の面的整備を図ることが必要であるということでございまして、このことがひいては県勢全般の振興にもつながるということで、これまでもいろいろと長い間ご要望もございましたが、本格的にこの事業を県の事業として取り上げたのは、平成元年十二月の県議会で柴田議員のご質問に私が答えて、これから本格的な行政的な措置がスタートしたのでありまして、比較的新しい段階からこの事業は始まっております。その間、平成三年から六年までの補助事業、単独事業で新拠点整備の調査、それから平成三年から七年までの連続立体交差の調査事業ということで、現在その調査事業がどんどん進んでおるところでございます。 その事業概要でございますが、まず高架区間でございます。 ここに地図がございますが、この西大分から大分川左岸まで、この赤い線で引っ張っている一番長い線でございます。この長さが四・九キロということで、一番長いところでこういう長さになります。ですから、西大分のかんたんのところから大分川の左岸までを全部高架にしたらどうかと、これが一番長い案。これが一番望ましいと思って調査いたしたんでございますが、問題はあの高崎団地に行くところの中島の踏切からこのかんたんの西大分のところまでは非常に海が近くて、背後に山がありまして、あんまりここに面的整備ができない。高架というのは、ただ高架するだけじゃなくて、それと同時に駅裏と今のこちら側との間の全部の面的整備を一緒にやらないと意味がないというのが、これは基本的な考えでございますので、どうもここは経済効果としては高架になじまないんではないかという結論が出まして、そこで建設省、関係機関と協議を進めまして、この西大分駅周辺につきましての地形的な条件等で、議員も言われましたこういった問題がございましたから、私はこれを総合的に判断しまして、いわゆる都市計画道路の生石、それから椎迫の間の中島踏切、いわゆる高崎団地に行く、この団地のところからちょうどこの大分川左岸まで三・六キロということについて高架をしよう--高架の区間が若干短くなっております。あわせてまた、この大分駅から久大線のところが一・八キロございますから、一・八とこの三・六を足しまして五・四キロ、若干ダブるところがございますが、この五・四キロを国に要望することを決断いたしたわけでございます。 今年度はこの橋梁の概略設計、それから地質調査を行う、それから大分市施行の大分駅の南の土地区画整理事業、あわせまして平成七年度の事業着手に向けて国に要望してまいりたい。したがって、平成七年度、つまりもうことしの夏には七年度の予算が各省庁できますので、この七年度の予算の中にこれを盛り込んで、ことしの十二月の予算が決定したときにこの高架事業の採択と事業費の決定をお願いしなきゃならぬ。要するに、平成七年度がひとつの山場でございます。それに向けて今全力を尽くしているところでございます。 いずれにいたしましても、この鉄道高架事業は二十一世紀に向けての県勢の振興上の中心的な、しかも先導的な役割を果たす大型プロジェクトでございます。特にまたこれは大分市の事業でございますから、大分市に余り多額の資金を導入することについては県議会の中にもいろいろとご意見のあるところでございます。 したがって私としては、これから都市計画をやる地域は、中津の拠点都市による都市計画、また県南、日田市のバイパス等々のバランスをとりながら大分市も並行してやっていくということになりますから、まあでき上がるときは二巡目国体、平成二十年、まあ十四年以上のところにいくであろう。一遍にこれに集中して短事業でやることはとてもできませんので、しかもまた大分市の財政負担が前提でございます。したがって、大分市と二人三脚をしながら長期的かつ粘り強く、この計画の実現に向けて努力をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。 その他のご質問につきましては担当部長より答弁……。 ○三浦良隆副議長 矢野土木建築部長。 〔矢野土木建築部長登壇〕 ◎矢野善章土木建築部長 まず、沿線の生活環境整備についてお答えいたします。 県道高崎大分線の御幸ガードにつきましては、近年の自動車の大型化に伴いまして現鉄道橋のけた下空間の確保が問題となっていることは議員ご指摘のとおりでございます。その対応策といたしまして、ガード下の道路を切り下げる方法で現在検討を行っているところでございますが、ご案内のように道路の切り下げに伴い、国道や市道との交差点処理の問題や道路排水処理の問題、さらに鉄道橋のかけかえなど、事業化までにはさらに詳細な調査及び関係機関との協議が必要でございます。 県といたしましては、日豊本線高架化区間の決定も踏まえまして、地元のご協力のもとに事業化に向けて最大限努力してまいります。 次に、中島踏切につきましては、増大する交通需要に対処するため、鉄道交差部の立体化に向け、事業主体でございます大分市と調整を図ってまいります。 また、沿線の生活環境整備につきましては、西大分地域の開発等を見きわめながら、大分市とも協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、大分公園構想についてでございますが、大分公園は、国立公園の高崎山に隣接しており、景観にすぐれた地域でありますので、その自然景観を保全するために、主として自然散策型の公園として整備したいと考えております。そのため、これまでも民間の開発等につきましてはそうした方針に沿って協力を仰いでまいりましたが、今後とも、そのような動向が生じた場合には、大分市と十分協議しながら対応してまいりたいと考えております。 次に、スポーツ施設の整備方針についてお答えいたします。 現在、県といたしましては、幅広く多くの県民が利用できるよう松岡・横尾地区に県の中核施設として大分県スポーツ公園を整備することといたしております。そのため、地域周辺の市民が利用するスポーツ施設整備につきましては一般的に市が整備主体となるわけでございますので、当公園につきましても、大分県スポーツ公園の施設との整合性を図りつつ今後、大分市と十分協議してまいりたいと考えております。 ○三浦良隆副議長 再質問はありませんか。--以上で安部省祐君の質問に対する答弁は終わりました。 山田軍才君。 〔山田議員登壇〕(拍手) ◆山田軍才議員 私は、当面する課題について幾つか質問をしたいと思います。 まず質問の第一は、県立病院跡地の開発についてであります。 私は平成四年の第二回定例会、平成五年第四回定例会において、質の高いホールの建設あるいは都市機能の整備を推進すべきであるという観点から、県立病院跡地の開発について質問をいたしました。県立病院跡地の開発については、大分市への一極集中を助長するなど種々の議論もありましたが、昨年の第四回定例会において一括事業化提案競技の実施に関する予算が成立をし、本年二月、提案競技がスタート、四月には五グループ、二十三社が応募登録を行ったところであります。現在の厳しい経済情勢の中にもかかわらず、我が国を代表する企業が多数コンペに応じたということは、本県の開発ポテンシャルの高さを示すものであり、私としても心強いものを感じております。 既に五月三十一日に各グループから開発プランが提出され、現在は審査委員会による厳正な審査が実施されているということであり、七月末までには入選案が決定すると聞いておりますが、必ずや県病跡地開発にふさわしい、すぐれたプランが選定されるものと期待しているところであります。 そこで、県病跡地開発に関連して、四点ばかり質問をいたします。 その第一は、県病跡地開発に伴う経済波及効果についてであります。 文化ホール等公共施設の建設費が二百億円程度、これに備品購入費や外構工事費等を加えますと二百数十億円を要すると思います。開館後の管理運営経費も相当の額になると考えられます。 例えば、県立芸術会館の本年度予算を見ますと、約三億七千万円の事業費に対して、会館の使用料や入場料など収入は九千三百万円となっております。すなわち、収入は事業費の二五%程度であります。文化ホールの場合は、この赤字幅が現在の二倍以上になるのではなかろうかと考えます。 施設内容を見ても、芸術会館が美術館部門を除けば一千二十二席のホールだけに比べて、新しい文化ホールは二千席の大ホール、七百席の中ホールを中心に練習室、会議室、アトリウム・屋内広場、ギャラリーなど数多くの文化施設の配置が予定されているからであります。 このように二倍程度と考えますと、年間五億五千万円ほどの赤字となり、あるいは文化ホールは金食い虫ではないかと言われかねません。私は、仮にそうなっても、むしろ文化振興のためには必要な負担であると考えております。 去る五月十八日の新聞に「福岡ドームの地域経済への影響」という記事が掲載されていました。これは九州経済調査協会の調査結果を発表したものでありますが、それによりますと、福岡ドームは、開業一年目の経済波及効果は六百五十九億円に上ると記されております。ドームの直接需要は二百四十一億円で、サービス業、不動産業などへの生産誘発効果は四百十八億円に及ぶとともに、雇用誘発者数は四千七百人に上るというもので、大規模なイベント事業がもたらすすそ野の広い波及効果を示しているのであります。 県病跡地開発においても文化ホールやNHK施設、民間施設が建設されるわけであり、その経済波及効果は相当のものが期待できると思いますが、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 次は、グレードの高い施設づくりについてであります。 地域の文化度を判断するバロメーターとして、公演活動の場である文化ホールの座席数等が上げられます。平成三年度の国民生活白書では、東京と地方の豊かさを比較する中で、演劇、音楽等の劇場は東京、大阪、名古屋の三大都市で全国の過半数を占めており、ソフトの充実と相まってコンサートや演劇等を手軽に楽しめる環境が整っていると記されています。 今や心の時代であり、文化の時代であります。地方においても、大都市と同様に良質の音楽や舞台芸術に触れる機会を得られることは、我々の生活の豊かさを確保する上で、また子供の情操教育を初め人間形成上、必要不可欠なものと考えます。 すぐれた芸術に接するためには、文化ホール自体のグレードが高いものでなければなりません。音響や舞台機構の面で一流アーチストが心から満足するような文化ホールであれば、観客である我々はその最高の芸術に接することができるでしょう。逆に音響がよくないと、幾ら音楽家が一生懸命に演奏してもベストのコンサートにはなりません。結果的に、その音楽家の評価を下げてしまうことになりかねず、ホールが余り利用されないという事態も引き起こしかねません。 昨年秋オープンした宮崎県立芸術劇場は、コンサートホールと演劇ホール、二つの専用ホールを持ち、非常に高い評価を受けています。全国各地でも、これまでの公共ホールのイメージを覆すようなグレードの高いホールが計画されているようであります。 新しい文化ホールも全国的な評価にたえ得る高水準のホールを建設したいとこれまで繰り返し説明されており、私もそのような施設を期待する一人として、改めてグレードの高い施設づくりについてお伺いをいたします。 第三は、運営体制についてであります。 グレードの高いホールが建設されたところで、その機能を一〇〇%引き出すような運営が行われなければ、まさに宝の持ちぐされであります。 平成四年七月発表された県立病院跡地高度利用基本構想策定委員会の報告書によりますと、文化創造機能の基本的な考え方として、一、大分県独自の文化創造拠点を目指す、二、高水準の芸術などを鑑賞できる運営体制を整備する、三、文化を通じた国際相互理解の促進と地域活動の発展を目指す、四、県内の公立文化ホールの中核拠点としての機能を整備する、などが提言されています。 文化ホールの運営に当たっては、特にすぐれた文化に触れるという意味で国内外の一流音楽家を直接招聘したり、各地のホールとネットワークを組んでコンサートを共同で開催するなど、呼び屋としての専門的な活動ができる体制の整備が期待をされます。そのためには、専門知識に基づき最新の情報を集めて自主企画を立てる能力、演奏家等との交渉能力を持った人材と組織づくりが必要となると考えます。 文化ホールの管理運営については財団法人の設立を検討しているということでありますが、どのような事業内容と体制を考えているのか、お伺いをいたします。 最後は、駐車場問題についてであります。 県内の類似施設を調べてみましたところ、別府のビーコンプラザは最大八千人収容のアリーナ型ステージでありますが、駐車場は一千百台規模と聞いております。また、芸術会館は一千二十二席のホールに対して三百五十台、大分市の文化会館は一千八百七十六席に対して百五十台、市営陸上競技場に至っては、一万八千人の収容能力に対して駐車スペースはゼロとなっております。 このように施設ごとに大変な差がある状況でありますが、文化ホール等公共施設の利用者、また民活部分、NHKの利用者を賄うため必要な駐車スペースをどの程度と考え、それをどのように確保しようとしているのか、お伺いをいたします。 同時に、公共交通機関の活用、利便性の向上も重要であります。現在、県病跡地を通過するバス路線は非常に少ない状況にあります。コンサートを聞きにくる子供たちや高齢者の利便性や安全性を確保するためには、バスを初めJR等公共交通機関の路線の新設や夜間運行、公演終了時の増便などを実現すべきと思いますが、どのように考えておられるのか、あわせてお伺いをいたします。 次に、大分港大在公共埠頭の整備とポートセールスについてお伺いをいたします。 大分港は、昭和四十年に関税法に基づく開港に指定され、その後、鉄鋼、化学、石油等の臨海工業地帯が発展し、今や国内有数の工業港として高い地位を築き、今後もその港勢は進展の一途をたどるものと考えられます。 しかし、海上輸送を取り巻く環境は近年、産業構造の高度化や港湾貨物のコンテナ化、高速大量輸送手段である鉄道や海上輸送へのモーダルシフトの推進など、輸送革新への対応が叫ばれております。 こうした中で、大分港は平成四年八月に、東九州の物流の玄関港としての大在公共埠頭の整備や西大分港の整備等を主要な内容とする港湾計画が改定され、それに基づいて現在、大在公共埠頭は五万トン級に対応できる大型岸壁と背後の埠頭用地の建設工事が最盛期を迎えているところであります。 一方、大分港を起点とした陸上の高速交通体系の整備状況を見ると、北大道路の未開通区間である宇佐-院内間と日出ジャンクションが本年度中に完成し、県内区間の全線が開通する見込みであり、また九州横断自動車道も、残されている日田-湯布院間と大分-米良間が平成七年度から八年度にかけて順次完成する見込みであります。さらに、東九州自動車道も大分-津久見間の路線発表がなされ、本年度にも着工される予定と伺っております。 このように、本県もいよいよ長年の懸案であった本格的な高速ネットワークの時代を迎えようとしており、このようなことは東九州における物流のルートを大きく変えるものと予想されるわけであります。 また、本地域は、アジア諸国を中心とする環太平洋地域の物流基地をつくろうという新アジアポート構想の実現を目指しており、本年三月には大分港を中心とする地域が輸入促進法に基づく輸入促進地域の指定を受け、輸入促進のための施設整備が予定されるなど着実な歩みを続けていると考えており、今後大分港は九州の東の玄関で海上交通の要衝として、より一層大きく発展の可能性を秘めていると私は期待をいたしております。 このように大分港は、これら陸上輸送体系と海上輸送網をリンクする結節点として、そして東九州における物流の拠点港としての機能を担い得る地理的、社会的条件を十分に有していると考えております。また、そのような全体構想のもとに大分港の整備を進めていると思いますが、今後この機能を十二分に発揮していくためには、港湾施設を初めとしたこれらのハード面の整備とあわせて、この大分港のポテンシャルと優位性をいかに売り込んでいくかが重要なポイントになるのではないでしょうか。 そこで、大在公共埠頭建設の進捗状況並びにポートセールスの今後の取り組みについてお伺いをいたします。 次に、物流拠点の整備についてお伺いをいたします。 さきに述べましたように、県内の高速道路網の整備が大きく進み、加えて大分港の整備計画の進展、さらにはFAZの地域指定が国に承認されるなど、本県が目指す東九州における広域流通拠点形成の環境整備が急速に進んでおります。 一方、県内流通業界においてもかつてない厳しい環境にさらされており、業界の流通拠点整備の要請もこれまでになく大きな高まりを見せております。 このようなことから、これまで種々の調査が行われ、その必要性は言われながら具体的な取り組みが進まなかった流通拠点整備の条件がようやく整ったところであり、この機を逃さず、流通拠点整備に向け積極的な取り組みを行うことが必要であると考えます。 幸いにして、本県においては昨年六月、流通拠点整備基本構想策定委員会を設置し、基本構想の検討を進め、一年間の検討を経て去る五月二十日、委員会から知事へ基本構想の提言がなされたところであります。提言のあった基本構想には、整備方針や導入機能、規模などとともに、流通拠点の候補地について米良インターチェンジ周辺部の敷戸地区、米良地区の二カ所、また宮河内インターチェンジ周辺部の佐野地区、丹生地区の二カ所、合わせて四カ所が具体的に提示されております。 そこで、次の二点について質問をいたします。 まず第一点は、提言で示された四候補地については、一、高速道路のインターチェンジに近接、二、大在公共埠頭へのアクセスが容易等を基本的条件として委員会で選定され、さらにこの四カ所についておのおの評価が行われたが、単純に優劣はつけられないとして、場所決定の最終判断は知事にゆだねられておりますが、今後、候補地を選定する上で重視する条件は何か、またいつごろまでに一カ所に絞り込みを行うのか、お伺いをいたします。 次に、基本構想について流通拠点の全体像が示されたところでありますが、立地場所の決定後、流通拠点整備の実現に向けて当面、具体的にどのように取り組んでいくお考えか、お伺いをいたします。 次に、地球環境保全アクションプログラムについてお伺いいたします。 現代は、我々人類がかつてない環境危機に直面している時代と言えます。今日の環境危機の特徴は、その被害、影響が一地域や一国内にとどまらず、国境を越え、ひいては地球規模にまで広がることであり、これが地球環境問題と言われるゆえんであります。 戦後の我が国の歩みを振り返ってみますと、戦後の荒廃の中から経済の復興と生活の向上を最優先に、国民が一丸となって物質的な豊かさを求めて突き進んでまいりました。本県の新産都の企業群は、それを支える屋台骨であります。経済成長のおかげで、我々は繁栄と便利さと快適さを享受できるようになりました。しかしその一方で、我々先進国の便利さや快適さが今日の地球環境問題を生み出したこともまた、否定できない事実であります。地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、森林、特に熱帯林の減少、砂漠化など今日の地球環境問題は、かつて我々が経験してきた公害問題と異なり、それぞれの問題が複雑に絡み合い、一度問題が大きくなってしまうと取り返しのつかない、そして禍根を我々の子孫に残す、まことにゆゆしき問題であります。 平成四年六月、ブラジルで開催された地球サミットは、地球環境問題に対して世界の国々が力を合わせて取り組もうとする動きの出発点となる歴史的な会議でありました。この会議において、持続可能な開発を推進するための原則を示した「環境と開発に関するリオ宣言」、さらにその具体的な行動計画であるアジェンダ21が採択されました。アジェンダ21では、平成五年末までに国別の行動計画を作成することだけでなく、ローカルアジェンダと呼ばれる地域の行動計画の策定を各地の地方公共団体に対して求めております。 我が国においては、平成二年十月、地球温暖化防止行動計画を閣僚会議で決定し、平成五年十一月には環境基本法を制定、平成五年十二月にはアジェンダ21行動計画を策定するなど、その取り組みが鋭意進められております。 地球環境問題は現代の、特に日本を含めた先進諸国の社会経済のあり方と密接に関連していると考えております。言いかえれば、問題は地球規模でありますが、その解決のためには、各地域において問題の根源となっている各種の環境破壊を一つ一つ克服し、そして社会経済構造全体を変革していくこと、つまり知事のよく言われるグローバルに考えローカルに行動することが求められていると思います。 県では、昨年三月に大分県地球環境保全基本方針を策定し、さらにこのたび大分県地球環境保全行動計画を策定したところであります。これらによれば、県民、事業者及び行政がそれぞれ取り組むべき具体的な行動と対策がふんだんに盛り込まれております。県議会からの要望でもあり、県が全国的に見てもかなり早く、このローカルアジェンダとも言うべきアクションプログラムを策定したことは高く評価するものであります。立派な行動計画は策定されましたが、しかし、これを絵にかいたもちにしてはなりません。ここに書かれた計画を一つでも二つでも実行に移していくことが求められております。 そこで、この行動計画を今後どのように実行に移していこうと考えておるのか、ご所見をお伺いをいたします。 質問の最後は、大分市の中核市構想についてであります。 最近、地方分権の推進に関する論議が各方面においてかつてない高まりを見せておりますが、これは、東京圏への一極集中を是正して国土の均衡ある発展を図り、国民がひとしくゆとりと豊かさを実感できる生活大国を実現するためには、強大な中央集権体制を排除し、規制緩和や地方への権限移譲を積極的に推進していくことが何よりも重要であるという認識が国民各層の間に浸透してきたことを示すものではないかと考えております。 地方分権については、内閣が過去幾たびかこれに取り組んできたにもかかわらず、その都度、官僚機構の厚い壁に阻まれ、実のある形で実現するに至りませんでした。 私が今さら申すまでもありませんが、地方分権を推進していくためには、国と地方の事務の再配分、権限と財源の移譲、国の関与の整理あるいは現実の行政需要に対応するための地方制度の改革等を一歩一歩着実に実現していくとともに、それぞれの地方自治体の長や住民の意識改革をあわせて進める必要があります。 特に国と地方間の事務の配分については、住民に身近な行政はできるだけ住民に身近な自治体で処理するという考え方に立って、基礎的自治体である市町村にできるだけ多くの権限を与え、その機能を一層充実させていくことが基本であると考えております。 最近における地方分権に関する取り組みについては、昨年六月、国会で地方分権の推進に関する決議がなされたほか、国の行政改革推進本部は十一月までに分権大綱を策定することにしており、来年度中の地方分権基本法の制定に向け、準備が進められているところであります。 また、既にパイロット自治体も導入され、中核市と広域連合の創設も今国会で成立するなど、極めて活発な取り組みがなされております。 このうち中核市については、人口規模等の基準に照らし、全国で二十七市が候補に挙がっており、早ければ平成八年四月からの移行が想定されているようでありますが、金沢市、岡山市、熊本市などがトップグループでの指定を目指しているとのことであります。本県では大分市が該当するようであり、大分市としても中核市の指定に向けて中核市制度研究会を設け、もろもろの調査を行っていると聞いておりますし、先日の大分市議会においても、市当局は早期指定を表明したところであります。 中核市に指定されれば、福祉、都市計画等の分野で一定の事務が移管されることになりますので、私としましても、中核市指定は五十万都市づくりを目指す大分市の大きなステップ台になるものと期待をいたしております。また、同時に県勢発展にも資するものと考えておる次第であります。 そこで、大分市の中核市指定について県は基本的にどのように考えておられるのか、考え方をお伺いいたしまして、私のすべての質問を終わります。(拍手) ○三浦良隆副議長 ただいまの山田軍才君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 山田議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 まず、県病跡地につくられる文化施設の経済波及効果についてであります。 一般的に、建設事業に伴います経済波及効果につきましてはいろんな要素が絡んでおりますので、なかなか一遍に出にくいところがあります。商業施設ですと、幾らの投資をして幾らの売り上げが出たと、こういうことになりますが、文化施設の場合には、一般の方々が来ていろいろ文化を鑑賞してもらうということになりますので、この経済波及効果という出し方は目に見えない分野がかなりあります。 しかしまあ、一つフィジカルなハード面だけに即して言いますと、国のシンクタンクと言われている特殊法人の総合研究開発機構--NIRAというのがございますが、そこが大阪にあります国立民族学博物館をモデルに算定した経済効果というのがあります。まず、建設に伴いましていろんな建設会社が資材を発注したりしますから、そこにいろんな経済効果がまず出ます。それを第一次生産効果と、こう言うわけでございますが、その生産効果は大阪の国立民族学博物館の場合は一・六六倍という数字が算定をされております。 また、議員がご指摘されました、これは商業施設でございますが、福岡ドーム、ダイエー福岡ドームでございますが、これは七百六十億円の投資でございまして、その運営でどのくらいの経済波及効果があったかと。これは商業施設ですから、一年間のサービス業を中心とした売り上げを見ますと、その他いろいろ施設を見ますと六百五十九億円ということの売り上げ、効果になっております。関連企業も七十社以上に及ぶということになっております。 で、大分県ではどうかということになりますと、大分県のある一つの建設投資を行った場合にどのくらいの波及効果が起こるかということを、大分県のこれは統計課で、大分県の産業間の投入と産出、インプットとアウトプットの相互連関をあらわす産業連関表というのがございますが、それで分析して出しますと、一般的に建設投資を行いますと、その波及効果は大分の場合一・六八倍という数字も出ておるところでございます。 また、一次生産誘発効果ということによりましていろいろな生産が増になっていく、それに伴って雇用者の所得が上がっていく、その雇用者がまたさらに消費をふやしていくということになりますので、その消費増による二次生産誘発効果というものも一緒に計算をしなければいけないということになります。 そこで、地方を見てまいりますと、埼玉県の大宮だったと思いますが、ソニックシティというのがございます。これはひとつの文化会館でございますが、この埼玉県のソニックシティの経済効果、建設効果でございます。これは一次の効果で一・四五倍、二次で一・八〇倍、合わせて生産誘発効果は投資費の三・二五倍という計算が出ておりますから、このソニックシティは四百八十八億、県と民活を入れておりますが、この建設事業で一千五百五十七億三千三百万円の波及効果が生じたという報告がなされているところでございます。 県病跡地に関連いたしまして、現在、応募登録をいたしました五グループからの提案を審査中でございまして、事業費総額も固まっておりませんので具体的な数字を上げることはできませんが、今までの例から判断をいたしますと、この新しい施設においては公共施設、NHK、また民間資本による大規模な複合施設ということを合わせて関連業種も多いことでございますので、県内経済に及ぼす一次、二次波及効果も通常以上に大きなものがあろう。特に一般の文化団体の方がそこでいろんなけいこ場をつくって練習をする、またいろんな文化活動、芸術活動に対して県民がいろいろここに参加をするといったインビジブルな効果というものを足せば、さらにそれは大きなものになろうかと思っております。 なお、建設に当たりまして、特にこの波及効果が県内の企業に波及をするように建設資材もできるだけ県内で調達する、また県内の建設企業も大いに活用を図っていくということで、県内建設企業の活用等についても指導をしてまいりたいと考えているところでございます。 次に、文化ホールの運営体制でございます。 文化ホールの運営体制がどんな形がよいかということでございます。これは各文化団体からの希望もいろいろ出ておりますから、これを最大限に活用いたしまして、この文化ホールのやるいろんな事業につきましては多彩な自主企画事業というものを展開して、大分県ならではの独自の文化創造拠点にふさわしい運営を図っていかなければならないと考えております。 で、具体的に言いますと、これには民間のノウハウを活用する、鑑賞団体、企業、全国の文化施設との連携、大分県の各市町村と文化施設の連携、一流芸術の提供、県内の音楽、芸術団体や県立文化芸術短大の自主的な文化活動の支援、市町村の文化ホールとの提携の共同企画というようなことでございまして、全体に県民の文化ニーズにこたえる、また同時に全国的な情報発信ができるようなイベントの開催ということでまあ大分県全体の情報発信基地にもなりまして、それによって大分県の各地域にもいろんな人がやってくるというようなことになればこの施設はいいんではないかと、このように考えております。 したがって、こういった事業を実施するためには、議員がご指摘のように専門的な知識や企画力を持った、演奏家等との交渉能力を持っている人材を確保して、長期的な展望に立ってこの事業を円滑に展開をしていく必要があろう。要は運営の組織と並んで人でございますので、いいプロデューサーを確保することが必要である。熊本の芸術会館には鈴木さんという、あのNHKの鈴木さんが抜てきされて館長さんになりました。そういった人材の確保が必要であろうと思っております。 また、全国的にたくさん文化ホールがありますが、どんな運営方式になっておるか調べてみますと、全国で八十八の文化ホールがございますが、その中で財団という形で経営しているところが七十カ所でございました。直営が十六というようなことで、圧倒的に財団方式という方式でございます。こういったことでございますので、まあ私も将来これができ上がったときにまたご相談をさせていただきますが、財団法人という形できめ細かなサービスを行った方がいいんではなかろうかと、このように思っているわけでございます。 そういった意味で、文化水準の向上という文化目的、また適時適切な企画と利用者に親しまれるサービスということでこの財団法人の設立を検討させているところでございまして、これがうまく運用できるように、また効果が上がるように努力してまいりたいと考えております。 次に、地球環境アクションプランでございます。 議員ご指摘のように、地球環境問題は今日の人類、特に我々先進国が取り組むべき最大の課題の一つでございます。人間を取り巻く環境は、自然の生態系の均衡のもとに成り立つ有限なものでございまして、生存の基盤として将来の世代を含めて共有しなければならないということでございますので、私は「環境と人間の共生」、これが二十一世紀に向けてのキーワードであろうと、こう考えておりまして、大分県がそのモデルになりますように地球に優しい地域づくりというものを進めているところでございます。 地球環境問題は、エネルギーや資源の消費に支えられた我々の日常生活、社会経済活動そのものに起因をいたしておるので、その解決には県民と事業者と行政というものが三位一体で取り組まねばなりません。そこで、消費団体、事業者団体、行政等の二十六団体で組織をいたします大分県地球環境保全推進協議会をつくりまして、これが中心となりまして全県的な運動として推進をしていくことにいたしております。 このたび策定いたしました大分県の地球環境保全行動計画、アクションプログラム、これは第一番目に環境と共生するライフスタイルづくり、第二番目は環境と共生するまちづくり、第三番目は環境と共生する社会システムづくり、この三つの基本方向に沿いまして、これから二十一世紀の初めまでの県民、事業者、行政が実施していきます具体的な行動と対策を、二十一の行動原則と百一のアクションプログラムとして盛り込んでおります。 このアクションプログラムの中には長期的な取り組みが必要なものもございますが、できるものから重点的に推進してまいりたい。特に本年度は地球環境推進大会を開催いたしますほか、第一番はオゾン層の破壊物質であるフロンの回収システムのモデル事業、第二番目は環境と共生するモデル地域づくり、今度八月にジャンボリーが開催されます久住町で地球にやさしい村構想ということを今推進をしておりまして、この久住町全般にソーラー、太陽熱のソーラーによる新しい施設園芸、有機野菜、風力発電、グライダー、また電気自動車ということで地球にやさしい環境村とはどんな村であるのかという一つのイメージをこの町で実現をいたしたいと、このように考えているところでございます。 第三番目は、市町村によるリサイクル推進店の指定ということで、包装の適正化を初めとしたごみの減量化、再生利用の推進を中心に取り組んでまいっております。 議員が言われたように、この計画が絵にかいたもちにならないように大分県の地球環境保全推進協議会で、この計画に盛り込まれている事業について進行管理を行いたいと思っております。 もう一つ私が特に申し上げたいことは、これから円高、急激な円高で企業が東南アジアに皆逃げていって、大分県の中の産業が空洞化するという問題がありますが、円高に影響されないような新しい技術を持った企業というものを大分につくらなければならない。そのときには環境技術、環境に優しい技術を大分に植えて、そういったものをつくる産業というものをこれから考えていかなきゃなりません。 まあ二つ例がありまして、一つは、現在、昭和電工がつくっておりますビオノーレという生分解脂肪族のポリエステル、土で埋めればこのビニールが皆溶けてしまうという物質であります。現在試作中でございますが、今度の八月のボーイスカウト・ジャンボリーではエコキャンプということで、環境に優しいキャンプ村ということで子供たちのごみを全部、その新しくビオノーレという物質のビニールに包んで、それを土に埋めてしまうとビニールが皆溶ける。あのゴルフのティーもそれでつくると、そのまま土に埋めとけば、それは皆溶けてしまうというような物質が今できております。こういうものを今試験中でございますが、これは成果が確認されますれば、こういった生産を将来的には大分でしていく。 また、小野田が国の補助金で今実験しているエコセメント、環境セメントというセメント、これは生ごみの回収の中でこれを分解して灰をつくって、それとセメントの物質で一つの新しいセメントをつくる。これは今、愛知県で実験をしておりますが、これが実際に成功すれば、これからまあ、津久見にセメント工場がございますので、このセメント工場で、各町から出たごみを焼却した灰でこのセメントをつくるというような技術もあるわけでございます。 これはまあ例でございますが、今後いろいろこういった環境技術、新しい産業科学技術センターにおいてこういった環境技術をいろいろと勉強いたしまして、こういったものの生産、こういうものもやっていくことも一つのアクションプログラムの一つにはいるのではないかと、このようなことを考えているところでございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○三浦良隆副議長 木内企画総室長。 〔木内企画総室長登壇〕 ◎木内喜美男企画総室長 まず、グレードの高い施設づくりにつきましてお答えいたします。 県立病院跡地に建設予定の文化ホールは、本県の文化の殿堂としてふさわしい風格、美しさ、親しみやすさを持ったデザインであるとともに、出演者、観客、管理者それぞれにとって機能的で使いやすいものとするということで、県下の文化団体の強い要望もございましたので、大ホール、中ホール、練習室、リハーサル室それぞれにつきまして細かい設計条件を出し、一括事業化提案競技を行ったところでございます。 中でも、大ホールにつきましては、コンサートホールにふさわしい残響時間を有しますとともに、演劇、オペラ、バレエ等各種の舞台芸術に対応できるものを、また中ホールにつきましては室内楽、独奏等に最適なホールを想定し、いずれも全国屈指の水準を要する施設としたいと考えております。 入選案が決定しました後も、基本設計や実施設計、施工監理などの各段階におきまして十分な指導、監督を行い、所期の目的が達成できるよう努めてまいる所存でございます。 次に、駐車場対策等につきましてお答えいたします。 県病跡地におきましては文化ホール、NHK、民間施設を複合的に整備することといたしておりますので、常時多くの来客が予想されるところでございます。敷地内には三百五十台程度の地下駐車場を設けることとしておりますが、もちろん最大利用時におきましては不足すると考えられます。そこで、この不足分につきましては、当面、厚生学院側で二百台程度の暫定利用を行いますほか、県病跡地周辺の半径五百メートル以内の有料駐車場の利用率を勘案しますと、八百台程度の余裕が見込まれるところでございます。 また、大分市におきましては、大分市駐車場整備基本計画調査委員会を設けまして、県病跡地における開発を含みます大分市中心市街地の駐車場対策を検討しているところでございます。 次に、ご指摘のバス路線対策等といたしましては、公共交通機関の利用促進という観点から、路線の新増設等につきまして関係各社にお願いしてまいりたいと考えております。 さらに、交通管制システムや規制の見直し等につきましても、関係機関と十分協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○三浦良隆副議長 矢野土木建築部長。 〔矢野土木建築部長登壇〕 ◎矢野善章土木建築部長 大在公共埠頭の進捗状況及びポートセールスについてお答えいたします。 大在公共埠頭につきましては、今後のコンテナ化などに対応する大型ターミナルといたしまして、五万トン級岸壁二バース及び一万トン級の岸壁一バースの整備と大型荷役機械の設置等を計画いたしております。 そのうち、五万トン級岸壁と一万トン級の岸壁各一バースにつきましては、昨年度より着工いたしております。平成八年度中には、大型荷役機械も含めまして供用開始の予定でございます。 また、残る五万トン級岸壁一バースにつきましても、引き続き整備が図られるよう、その促進方を国に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 次に、ポートセールスについてでございますが、従来より他の港湾管理者と情報交換を行うとともに、海運業者に対しましても広報活動を行っているところでございます。本年四月にはオーストラリア・クインズランド州及びブリスベン港務局と経済友好協定を結び、今後両港を通じた交流を目指すことにいたしているところでございます。 また、大分港が輸入促進地域、FAZの措定を受けたことから、今後は大分県FAZ推進協議会等とも連携をとりながら、効率的なポートセールス活動を推進してまいりたいというふうに考えております。 ○三浦良隆副議長 飯田商工労働観光部長。 〔飯田商工労働観光部長登壇〕 ◎飯田益彦商工労働観光部長 まず、流通拠点候補地の選定についてお答えいたします。 基本構想策定委員会の提言におきまして候補地が四カ所示されたところでありますが、その中から一カ所を選定するに当たりましては、高速道路インターチェンジや大在公共埠頭とのアクセスの優劣に加えまして、FAZ計画等の関連あるいは適正な土地取得価格、さらには流通業界や対象地域住民の方々の意向等を総合的に勘案しまして、立地場所を決定いたしたいと考えております。 また、立地場所の決定の時期につきましては、今後の事業計画との関連もありますので、できますれば八月末をめどに決定いたしたいと考えており、現在その取り組みを進めているところでございます。 次に、流通拠点整備の取り組みについてであります。 立地場所が決定いたしますと、本年度は流通拠点整備のための造成計画や交通、排水等の整備計画、公園、緑地等の整備計画などを主要な内容とします基本計画の策定、流通業務市街地整備に関する法律に基づく基本方針の策定を初め、環境影響調査や地形測量、用地測量を実施することといたしてございます。 また、来年度以降は、平成十二年度の分譲開始を目標に基本設計、用地買収、用地造成等の具体的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ○三浦良隆副議長 池辺総務部長。 〔池辺総務部長登壇〕 ◎池辺藤之総務部長 大分市の中核市構想についてお答えをいたします。 中核市制度につきましては、今国会で地方自治法の改正により創設されたところであります。これは、三十万人以上の人口規模等を持つ比較的大きな都市について、住民に身近な行政の事務権限を強化しようとするもので、あわせて地方分権の受け皿づくりをねらいとしている制度であります。 本県では大分市が対象となり、中核市に指定されますと、主として福祉、保健、都市計画などの分野で一定の事務が移管されることになります。県でも現在、市町村に対し権限等を移譲すべく種々検討を重ねており、大分市の指定に向けての取り組みは大変意義あるものと考えております。 今後、大分市が中核市の指定申し出を行う場合は、県としましてもこれを積極的に支援してまいりたいと考えております。 ○三浦良隆副議長 再質問はありませんか。--以上で山田軍才君の質問に対する答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午後零時三分 休憩     -----------------------------     午後一時十五分 再開 ○友岡春夫議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 仲道俊哉君。 〔仲道議員登壇〕(拍手) ◆仲道俊哉議員 通告に基づき、四点について質問をいたします。 羽田内閣が二十五日、総辞職をしたのを受け、中央政局は政権構想をめぐり混迷を深め、一気に緊迫感を増してまいりました。安定政権樹立を目指した新政権の枠組みをめぐる攻防に目まぐるしく変わる昨今の政治に国民の不安は募り、政治不信へとますます拍車がかかっております。 このような時期に当たって、今こそ地方政治の確立の重要性が考えられなければならないと思うのであります。地方の自主性や自立性を高めるような具体的な分権の推進方策を考え、二十一世紀にふさわしい国と地方の改革を進め、地方から政治を変えていく必要を痛感いたしております。 政府も去る二十四日の閣議において、このことを考慮し、行政改革推進本部に地方分権部会を設置し、年内に大綱を策定し、地方と国との改革を進めることを確認いたしております。 既に地方自治体の代表者や有識者による初会合も開かれ、地方政治の自主性が強く求められてまいりました。今や地方分権は国民的課題であり、地方も積極的に政治を改革すべきであろうと考えます。 幸い今回質問の機会を得ましたので、このような意味で政治改革に関連して、現在の政局について昨日、阿部議員の質問もありましたが、私の立場から知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。 昨年八月、政治改革をめぐる政変劇により、自民党一党支配の五十五年体制が崩壊し、反自民の合い言葉で、主義主張の全く異なる八党派による細川連立政権が成立いたしました。八カ月にわたって政権を維持しましたが、結局、政治改革法案の成立によってその使命を終えたのであります。 政治改革を唱えながら、みずからの佐川疑惑、NTT株購入問題等についても潔白を証明できず、平成六年度の予算の成立もせずに、無責任にも辞職をしてしまったのであります。 次に誕生した羽田政権も、国民不在の二十日間にわたる主導権争いを行った末に、与党内の第一党たる社会党は離脱し、新生、公明党主体の権力二重構造と言われる少数指導による連立政権を発足させたのであります。 議会制民主主義、政党政治の原則に合わない院内第三、第四位の勢力による不正常なこの弱体政権に安定した政治は望むべくもなく、国際的信頼も築きようがなかったのであります。平成六年度予算もおくればせながらようやく成立した時点で内閣総辞職となり、現在のような混乱した政局となったのであります。 政権構想も、国会会期末を迎えるきょう、いまだにその見通しは立っておりません。国民の信を問うでなく、永田町の原理のみで動く現在の政局に対し、国民はますます政治不信を募らせるのも無理からぬところであります。 地方自治を預かるトップの平松知事として、現在の政権構想についてどのような考え方をされているのか、また今後の政治の進むべき道についてのご所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、政治改革の中での選挙制度についてお伺いをいたします。 小選挙区比例代表並立制では、人口割ですので、議員定数は人口密度の高い大都市では議員数が多くなり、大分県のような過疎県では議員数が減少します。比例代表がありますので一概には言えませんが、九州地区では現行六十八名が新制度では六十一名と七名減となります。近畿地区では七十二名が八十名の八名増となり、南関東地区では四十名が五十五名と十五名増と、過疎地域での議員数は減少をいたします。 大分県の場合、現行六名ですが、小選挙区では四名という区割りが報道されておりますが、まずこれは間違いなく四名となるのか、お聞きをいたしたいと思います。 続いて、大分県の四区割りについて、海部案や竹田市、直入郡の区割りの違いや中津市、日田市との区割り等々、地域住民にとっては日常生活の常識をはるかに超える案が取りざたされております。区割りについて、これまで国の方から意見聴取もあったやに聞いておりますが、県はどのような考えで、どのような答申をされたのか、この機会に県民の不安を解消する上からもぜひお聞かせいただきたいと思います。 次に、地方分権について、昨日の荒金議員、また先刻の山田議員からも質問がありましたが、多少重複をいたしますが、私の立場からお伺いをいたします。 第三次行革審の最終答申で、政府の役割の見直しと縦割り行政の是正の二つの基本テーマが提出されました。答申は、一つに地方分権に関する基本法の速やかな制定と、二点目に規制緩和のアクションプログラムの策定がその内容となっております。 このうち、焦点の地方分権の推進では、分権に関する基本法の速やかな制定を求めるとともに、その最初のステップとして基本理念や取り組むべき課題等を定めた地力分権大綱を今後一年程度をめどに策定するよう提唱しております。 また、これに先立ち、衆議院、参議院本会議においても、地方分権の推進に関する決議をいたしております。 行革審の答申を受けるまでもなく、今回の現状を見れば、政治、経済、文化等の中枢機能が東京一極集中しており、これに伴う種々の問題が発生しております。 この分権論については、日本で最初に唱えたのは我が郷土の先駆者福沢諭吉先生で、明治十年に明治政府が近代国家として確立する時期にこの分権諭を提唱しておるのであります。しかし残念ながら、百年以上たった今日でも、この地方分権は実現をいたしておりません。 今この時期に、奇しくも平松知事がこの問題で、地方のトップランナーとして東京一極集中を問題にし、地方自治の確立を強く提唱していることは、大分県民として大変力強く、また誇らしく思う次第であります。 そこで、地方分権に関連して、問題点を指摘し、質問をいたします。 一つは、国と地方の本格的な役割分担の見直しが提起されておりますが、口で言うはたやすいものの、現在の行政組織の中では大変な隘路があると思いますが、いかがでしょうか、ご所見をお伺いします。 二点目に、国からの権限移管についても、地方行政の能力の問題も含め事務手続が煩多となる心配はないのか、また市町村の行財政能力にばらつきがあるわけで、この点についてはどう対処するのか。 三点目に、地方分権を確立するには地方財源の確立が不可欠であります。地方自治確立対策協議会等でも、自主独立財源の必要性を強く主張され、地方税の充実強化を図るよう提言しているようであります。その中で、今回の抜本的な税制改革を実現するに当たり、現在の直接税に偏った地方税の構造を是正し、地方税源の充実確保と安定的な税体系の確立を図るため、現行の消費譲与税を組みかえ、地方独立税としての地方消費税を導入するよう要望しております。 この点について基本的な考え方は理解できるのでありますが、大消費地のある大都市と消費能力の低い過疎県とでは税収に大きな差が生じ、大都市有利税となるおそれはないのか。 知事がさきの公聴会で反対された高速道路料金据え置きの立場も、地方自治の過疎の立場から、全国でプールされた財源を高速道路が建設されていない地方に配分するために反対されたものと理解しており、大分県民として、一部の反対はあるにせよ、賛意を送るものであります。 この考え方からしますと、地方消費税を独立財源としますと、大分県の実態からして税収が大きく減収となる可能性があります。地方分権の確立と自主独立財源の確俣という問題点をどう克服するのか、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。 四点目に、地方分権を推進するためには市町村の行財政能力を充実する必要があります。そのため市町村合併の促進が提起されておりますが、大分県の場合、特に過疎化が進行し、行政自治体としての機能が維持できなく、非効率な行財政運営を余儀なくされている市町村が見受けられます。 地方分権推進の上からも、今後、大分県における市町村合併をどのように進めようと考えているのか、お伺いをいたしたいと思います。 大きな三点目として、バランスある県政の推進についてお伺いいたします。 地方分権が提唱され、東京一極集中の問題点が指摘される中で、県内においても大分市一極集中の問題点が県議会において論議されております。知事はこれまで県政の最重点施策として過疎からの脱却と若者の定住を掲げ、たびたび当議場でも議員の質問に答え、前向きの答弁をしてまいりました。しかしながら大分県の過疎率は進行するのみで、このままの状態で推移すれば、農村は高齢者のみのうば捨て山になりかねない状況であります。私は大分市選出の議員でありますが、大分市一極集中が論議されるたびに、執行部に県政のバランスある行政を強く訴えたい気持ちでいっぱいであります。 そこで、次の点についてお伺いします。 東京一極集中に対応する地方分権の施策が提起されておりますが、大分市一極集中に対する批判に対して、バランスある県政の推進をどう進めようとしているのか、その基本的な考えと具体的施策についてお伺いをいたしたいと思います。 二点目に、知事はこれまで、過疎問題を論議する際、適疎という言葉をたびたび使われております。この問題については我が党の後藤利夫議員が平成四年、五年の第四回定例会で質問され、論議されておりますが、いま一度、この適疎の概念とそれに基づいた具体的なまちづくりをどのように志向されているのか、その後の経過とあわせてお聞きいたしたいと思います。 最後に、東九州の玄関口として脚光を浴びようとしている大分港のFAZについてお尋ねをいたします。 本県では、恵まれた港湾条件を生かして、昭和五十四年にブラジルが提案したアジアポート構想を誘致すべく、これまでアジアポート推進会議を中心に官民一体となってこの構想の実現を推進してまいったところでありますが、その実現は、私ども県政にかかわる者や関係者にとって十数年来の悲願でありました。 このような中にあって、平成四年に国が貿易摩擦の解消策としてFAZ、すなわちFAZ構想を提唱し、本県もことし三月にその指定を受けたことは、長年にわたるアジアポート構想、そして環太平洋をもにらんだ新アジアポート構想への取り組みの成果であり、本構想の実現を図る意味でも大変意義あることと高く評価いたしております。 このFAZ構想の中心となる大在公共埠頭では、九州で最も深い水深十四メートルのバースを整備しており、九州の中でも最もすぐれた港と言われております。また、大分港は、瀬戸内海の要衝に位置し、関東、関西への至近性も評価されております。 一方、本県の物流環境について見ますと、平成六年度には北大道路、七年度には九州横断自動車道が完成し、九州各県、特に福岡県との時間距離は大幅に短縮され、物流の動きはこれまでになく活発になると考えられます。 こうした立地条件や情勢を踏まえますと、大分港を九州の輸入基地、そして物流拠点として、その貨物をアジア各国や九州を初め全国に集出荷する拠点として整備することは、今後の大分県の発展を図る上で極めて重要な意義を有するものと考えており、官民一体となってこのFAZ構想を成功に導かなければならないと考えております。 そこで、今後のFAZの推進についてでありますが、地域輸入促進計画にある施設整備等を行う事業主体として設置する第三セクターヘの出資は確保できるのか、その概要や計画とあわせてお伺いをいたしたいと思います。 次に、FAZと並んで流通業務センターの整備も予定されているところでありますが、これも高速交通体系の整備をにらんだもので、時宜を得たものであると考えます。 流通業務センターとFAZとが相まって国内外の一大流通拠点となることを期待しているところでありますが、流通業務センターの機能にはFAZと共通するものがあると考えます。したがって、両施設の整備に際しては、効率的な運営を図る観点から十分な機能分担を図る必要があると考えます。この点について執行部の見解をお伺いし、私のすべての質問を終わります。大変ありがとうございました。(拍手) ○友岡春夫議長 ただいまの仲道俊哉君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 仲道議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 まず、現在の政権構想でございます。 議員もご指摘されましたが、現在の日本の政治情勢は極めて異常事態であろうと思います。考えてみますと、この一年間に首相が三人かわったわけであります。宮沢首相、細川首相、羽田首相。羽田首相は二カ月でかわられたと、こういうことでありますし、しかも四人目の内閣が近く発足しようということでございますが、こんなことではナポリ・サミットに出かけた場合、その首相に対する対外信用の問題も大変大きな問題であろうと思っておるわけでございます。そういったことで一刻も早い安定的な政権の誕生を希望するものでございますが、私ども、地域住民の方に密着した地方行政を行う責任者といたしましては、政治や行政の停滞は一日も許されるものではないのでございますので、一刻も早く政策合意の上に立った安定的かつ長期的な政策が実行できる政権の誕生を望んでおるところであります。 いろんな情報で言いますと、このたびは第一党、第二党の自民と社会、さきがけの政権構想というのも現実化しつつあるようで、大分県出身村山首相論というのもあるようでございます。村山首相が出ることは大変おめでたいことでございますが、まあそういうことでもあれ、また連立政権でもあれ、いずれにしてもこういった政策の合意が中心となった安定政権でないと、ガラスの政権と言われるようにまた瓦解をするということになりますので、今度はきっちりとそういう政策合意の上に立った安定した政権を望んでおるところでございます。 ところで、我が国は現在、景気の底入れ感はありますが、総じてまだ大変厳しい、しかも急激な円高でまた景気の足を引っ張られるかもしれない、またガット・ウルグアイ・ラウンド受け入れで大分県の農業、日本の農業、先行きどういうことになるのか、また国際的な日米構造協議の問題、こついったことで内外ともに大きな問題を抱え、長期ビジョンに立った、百年の計に立った国政が行われなければならない必要性は今日ほど高い時期はありません。 また、地方でも高速交通体系の整備、過疎化、高齢化、情報化への対応、こういったことで問題は山積をいたしております。 私が本年を未来創造元年と申し上げたのも、もうこの上は国に余り頼ることなく、県民の皆さんともども大分県の将来のビジョンを打ち立てて、未来は待っとっても来るものではない、我々の力で未来をたぐり寄せていこうという決意を込めて未来創造元年と、こう申し上げたわけでございまして、特に大分県では交通体系の整備、過疎対策及び農林業の再生、快適な生活環境づくり、こういった課題に長期的なビジョンを持って県議会の皆さんと力を合わせて県政を執行してまいりたい、このように思うわけでございます。 中央政局が不安定であればあるほど、地方政府、つまり県、市町村が自主性を持って行政を進めていかなければなりません。そのためには、地方分権によることを進め、それを確保するための組織、受け皿を確立することが一番の問題であろうかと思います。 私が提唱しております第二国土軸、今度新しく太平洋新国土軸と言うようになりましたが、太平洋新国土軸構想の推進や高速情報ネットワークの形成、社会資本の整備によります大都市圏から独立した地方経済文化圏の構築、こういったようなことはすべてこれからの地方分権の受け皿づくりとして、地方都市の整備をして分権を進めていくための一つの手法でございます。こういったことについても、地方が独立して必要に応じまして、国に対して制度改正なり予算措置等を積極的に要求していくようにしなければならないと考えているところでございますので、中央政局に左右されずに県独自の政策を皆様方とともに打ち立てていきたい。今後とも県議会の皆様初め県民の皆さんと手を携えて、県民に信頼される、県民が真に豊かさが実感できる生活大県づくりに邁進する所存であります。 次に、地方財源の確立であります。 常々申し上げておりますように、地方分権を推進するためには地方が自主自立で政策を行わなきゃならぬ。そうなると、地方財源の基盤を充実強化することが必要であります。現在のような三割自治、つまり財源の七割を国に依存するというようなやり方では、いかに地方分権が進んでも予算が全部国で握られておる、ちょうどお釈迦様の上におる孫悟空みたいなもんでございますから、すべて生殺与奪の権が国にあるということではいけないのであります。 そこで、地方分権のための必要な財源の自立ということになりますと、例えば税制を根本的に解決しなければなりません。 地方分権が進んでいるドイツを見ますと、ドイツは、今の日本のように国税は国税、地方税は県税として県の税務署で取るということでなくて一本で、地方がまず徴収をする。そして、税収の一定割合を国に納めるというやり方であります。この方が、県の独自の財源を取るのには一つの方法であろうと。 アメリカにおきますと、連邦政府と州政府がございますが、これは両方がそれぞれ独自の課税権、課税対象、税率を持って、独自に税を徴収しておるところであります。日本のように一たん国が取って、その三分の一を交付税で分けるというシステムではございません。 そこで、地方分権の推進に真に資する地方税財源基盤を確立するためには、私個人はドイツのような共同税構想というのが望ましいと思いますが、一遍にこういう方式にできないときには、まず地方独立税を創設する、また各種補助金を一般財源化して県がもらう、また交付税の総額を確保する、こういったことをやっていくのがまず第一段階であろうと思っております。 最近、地方消費税導入のことが、六月二十一日の答申でありました税制調査会で提案が出ておりますが、ただ問題は、これも結構なんですが、地方独立税をつくることはいいんですが、地方消費税が導入されると現行の消費譲与税、一たん国が消費税で取って、それを地方に譲与するのに比較しますと、大分県、特に県分と市町村分を合わせますとこれは減収になる、今計算上そうなっておりますので、これでは地方消費税をつくって、かえってまた減収になる。残りを交付税で見るということでは、ちょっとこれは逆行でございますので、現在のような計算方式の地方消費税では困るんでありまして、これはもう一工夫欲しいと今、国にも申し上げておりますが、しかしこういったような地方独立税というものをこれから考えていって、地方分権に真に資する地方税の税源の確保を図っていきたい、その制度につきましても、九州地方知事会、全国知事会を通じて国に積極的に働きかけたいと考えております。 次に、バランスある県政の推進であります。 議員も言われましたが、県土の均衡ある発展というのは私の県政の最重要課題でございまして、21大分県長期総合計画においてもバランスのとれた地域づくりの推進ということを掲げておりまして、県下のすべての地域で物も豊か心も豊かなGNS型社会形成ということを申し上げておるわけであります。 しかし、議員もご指摘されましたが、東京の一極集中、また九州で言えば福岡の一極集中、また大分県で言えば大分市の一極集中ということで、他地域の活力が相対的に低下をすることが懸念をされているわけでございまして、大分市にいろんな諸施設が集中することについての疑念を持たれる方も大変多く、議会内にもそういうご意見があることも私はよく存知をいたしております。 ただ、県都ということでございまして中央に大きな施設をつくるときには、その利用率その他波及率を考えると、県都にそういった施設をつくるというのは--これは大分だけじゃございませんで、いろいろ調べてみますと、九州各県で言いますと、例えば文化ホール、美術館、博物館、運動公園、大学、短大、また工業技術センターといったものが、例えばお隣の宮崎でいくと、宮崎県立芸術劇場、宮崎県総合博物館、それから宮崎県総合運動公園--国体が行われた場所、宮崎県立看護大学、県の工業試験場、全部宮崎市であります。熊本県、熊本県立劇場、熊本県立美術館--熊本県立博物館はありません、これはもともとない、どこの地にもない。熊本県立総合運動公園、熊本県立大学、県工業技術センターということでございます。また、鹿児島県、鹿児島県文化センター、鹿児島県立博物館、鴨池公園、鹿児島県立短大ということでございます。 まあ、もちろんこの施設を全部各都市に分散することも一つの方法かと思いますが、人間の多さ、利用率から考えるとおのずからこういった施設が県庁所在地に集中するという傾向もあるわけでございますから、私はこういうことで大分市にこういうものをつくっていくこと自身を否定するものじゃありませんで、大分市にこういうものをつくると同時に、同じようにまた他地域にも活力を与えるような施設を県北、県南、大野、玖珠・日田、こういった地域にもそれぞれつくって、それぞれをバランスして機能分担していくようにやっていくのがバランスある地域づくりであろうと、このように考えております。 大分県におきましては、地方拠点都市地域整備推進事業、風格あるまちづくり共同事業ということで、五十八市町村に全部こういった施設をつくるということは不可能でございますから、圏域ごとに中核都市において、その人口規模、文化的、社会的、歴史的な特性を考慮した商業、文化、レジャー施設などの都市的な機能を整備して、にぎわいの場をつくる。周辺市町村には、それぞれの地域の住民の方が満足できるグレードの高い中核都市づくりを進める。また、この市町村でそれぞれの地域の特性を生かした地域づくりを行う。 また、県内六十分・圏域内三十分交通構想でございますから、こういったネットワークを図って圏域内全体がうまく施設を利用できるというようなことで、特に地域拠点都市地域の整備で、昨年、県北地域三市九町村が指定を受けましたので、この地域をそのような形で中津に中核施設、宇佐、豊後高田にもそれぞれ大規模工業団地、また簡保レクリエーションセンター初めいろんな施設、また周辺の都市においても、山国町において山国のルーラルアメニティープラン、こういったようなことでそれぞれの都市にもそういうにぎわいの場づくりをこさえていく。こうやって今度は県南を指定地域にして、臼杵、津久見、佐伯を中心に県南各南郡にもそういう施設をつくっていくというようなことで、バランスのある地域づくりを進めていきたいということで、それぞれの地域に必要な過疎地域アメニティタウン構想、また中核工業団地、また別杵・国東地域ではアグリカルチャーパーク--山香町、ハイテクニュータウン--武蔵、安岐町、また県南では県南工業団地の開発適地調査、宇目町の家族キャンプ村整備事業、大野・直入町としては風格あるまちづくり共同推進事業、また地球にやさしい村推進事業、日田・玖珠地域ではウッドコンビナート事業、風格のあるまちづくり共同推進事業というようなことで、この事業にふさわしい施設をつくってまいりたい。 県は、こういった中核都市の整備、また各市町村が行う事業に対して、本年度から過疎地域振興プロジェクト推進事業等によって積極的に支援をしてまいりたいと、こう考えております。今後ともそういった意味で、大分市の中核市としての機能の充実と同じように各都市においても活性化のための施設をつくり、バランスのとれた生活大県づくりということで努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 次に、適疎の概念であります。 私があえてこういう言葉を使ったのは、よく過疎、過疎という言葉があるわけですが、本当に人間が何人減ったら過疎になるのかということについても余りありませんし、ちょっとイメージも暗いんで、私はむしろ、それぞれの地域に住んでいる人が、もう現在の人がそれぞれの豊かな自然を持った地域で豊かに暮らせるということで適疎と言うべきであろうと、こう言ったわけであります。 人口さえふえればいいということであれば、東京のべッドタウンになっている千葉、埼玉、神奈川のようなところでは人間ばっかりふえていって、果たしてあれが過疎から脱却してめでたいことかというと、そうではありません。 先般、東京でシンポジウムがありまして、埼玉県の大宮の市長さんと話したんですが、大宮の市長さんいわく、私の町には住民と市民がいると。つまり、全く東京に通うベッドタウンとしての住民、それから大宮に昔から住んで、大宮の町を愛し、大宮の町をどうしようかという市民、こういう市民と住民と二つ住んでおって、非常にやりにくい。何か一つやっても、ただ土地に住んでいる人はごみ処理なんかについてもなかなか協力してくれないというような話をされておりますので、やはり人がふえていけばいいちゅうもんでもありません。 もちろん、減って町がだめになることはいけないわけですが、やっぱりそれぞれ適正規模の人口で人間が住んで、その住んでいる人が下水道や家庭の住宅条件がよくて、そこで豊かに暮らしていけばまた、おのずから人がそこに集まるわけでありますから、余り過疎、過疎と言う必要はない。心の過疎がむしろ恐ろしいと。心の過疎というのは、自分はこの町が嫌になったからもうよそに行こうとみんなが思い出したらその町は滅びると私は常に言っているわけでございますので、その地域が活性化するためには、現在の人間のもとでその地域のポテンシャルを生かした地域づくりをして--これからは交流人口、そこの人間はそんなにふえなくても、地域から人がやってくる交流人口という時代になる。これは新しい新全総の中でも言われております。そういうことで、それぞれ地域相互間で特性に応じた役割を担って相互に補完、連携し合いながらやっていきたい。 それから、大都市には都市計画、シティー・プランニングがあるわけですから、これから過疎地域においてはシティーにかわるルーラルプランニング、町村計画というか、田園計画というものをつくりまして、湯布院とかそれぞれの地域でも、ここはもう学校の地域、ここは商業地域、ここは自然保護地域、ここは住宅地域というようにやはり用途地域別に土地利用を考えて乱開発を防ぐ。そのためには都市計画的な手法を各過疎町村にも及ぼすべき必要があると考えまして、東京のそういった住宅建築研究所にお願いして、ルーラルプランニングを山国町と湯布院町と海岸部では鶴見町、三つをモデルに選んでこういう山村計画、ルーラルプランニング、山村都市計画というものをつくったのでございまして、その山国町ではこのルーラルプランニングを頭に置いたアメニティーコア施設というものを来年度から、県も助成いたしますが、建設、つくったわけで、新しい過疎地域の活性化のプランが山国町では実行されるということになるわけでございますので、これからはそれぞれの地域で現在の人間が減ることを余り嘆かないで、現在の人間を頭に置いてそれぞれ機能分担したまちづくり、地域づくり、また住宅づくり、こういうことで人間がそこに住んでいくようにするというようにやっていけばいいんではないかと考えております。 後藤利夫議員の言われた最適生活圏というようなものも、やはり私と同じような考え方の上に立った構想であろうと私は解釈をいたしております。 したがいまして、これからは一村一品、一村一スポーツ、一村一文化、総称して一村一風と、それぞれの町が風格のあるまちづくりをしていく。こういうために下水道や農業集落排水、住宅、道路網、生活環境基盤の整備、広域、機能分担をした文化、スポーツ施設といったもの、それから住環境整備事業、ふるさとの住まい供給促進事業、またふるさと農道、ふるさと林道、また下水道緊急整備事業というようなことを全部、ひとつのそれぞれの地域に集中的に投資をしていって、そういった町がそれぞれの地域で豊かな生活ができるというまちづくりをつくっていけば、これが一つの適疎の町である、こう言えるんではないかと考えております。 この適疎という言葉は、先般東京で第二国土軸の推進協議会の席上で、この第二国土軸を太平洋国土軸と名前を変えた調査報告が出されたわけですが、その中に「これから新しい太平洋新国土軸は、経済活動の場や生活圏を広げて、新たな機能を導入し、いわば適疎な地域をつくり出すことになっていくであろう」ということで、この新しい第二国土軸、いわゆる太平洋新国土軸、長崎、熊本から大分、豊予海峡、四国から紀伊半島、いずれも今までは非常に過疎地域でありましたが、それぞれのこの沿線上の市町村がひとつの新しい適疎地域をつくっていく。そして、これを連檐することによって新しい地域開発が出ていくんだと。したがって、そのことが今までの第一国土軸、東海道新幹線、山陽新幹線の第一国土軸との大きな差である、適疎地域をつくり出すということが今度の太平洋新国土軸のイメージとして発表されたところでございますので、こういう考え方でこれから新しい基盤整備も進めていく必要があろうかと、このように考える次第でございます。 その他のご質問につきましては担当部長から……。 ○友岡春夫議長 池辺総務部長。 〔池辺総務部長登壇〕 ◎池辺藤之総務部長 まず、選挙制度についてお答えをいたします。 衆議院議員小選挙区の定数配分につきましては、衆議院議員選挙区画定審議会設置法で人口比例によるとされております。具体的には、まず各都道府県に一名ずつの基礎配分を行い、残りは人口比例で配分されることになり、本県の定数は四名となります。 この方法により配分した定数をもとに、各都道府県の区割りをどのような考え方のもとに定めるべきかということについて先般、衆議院議員選挙区画定審議会から意見を求められたところであります。これについては、人口を基本とする定数配分方法では、人口減少が続いている県では将来的に定数が減っていくことが考えられ、結果的に過疎や農業問題など地方が抱える諸課題が国政に正しく反映されがたくなるという心配があります。 そこで、面積や過疎地域の特殊事情など人口以外の諸要件も加味するとともに、将来にわたって当初の定数が確保されるよう、あらかじめ各選挙区間の人口バランスを確保し、あわせて歴史的なつながりや広域圏の結びつきを考慮に入れた基準を取り入れてもらいたいということを申し上げたところであります。 次に、国からの権限移管についてであります。 行政事務の権限と責任は、国、県、市町村の各段階に分散しており、しかもその相互関係が複雑になっております。したがいまして、国からの権限移管に当たっては、国、地方の事務手続が簡素化され、実のある権限の移管となるよう、何が地域の住民生活にプラスになるか、こういう観点から事務の処理基準等が明示されているもの、地方の方が地域の実情に即した判断が行えるものなどについて、知事会などを通じまして国に要望してまいりたいと考えております。 また、地方の行財政能力につきましては、いわゆる地方不信論もありますが、近年、地方公共団体では組織運営や人材の面で能力がアップしているものと考えております。しかしながら、市町村の状況を全国的に見ますと、その規模や行財政能力などにおいてかなりの格差のあることも事実でありますので、当面は県段階に重点を置いた権限の移管を進め、次に県の権限を市町村に移管していくことが現実的かつ効果的であろうかと考えております。 市町村への権限移譲に当たっては、基本的には、基礎的な自治体としての市町村の行財政能力を充実させるべきであると考えておりますが、当面はできるものからという観点に立って、市町村の行財政能力に応じた権限の移譲に努めるとともに、受け皿として一部事務組合や広域連合制度などの活用を図りながら、市町村と十分協議して円滑に進めていきたいと考えております。 最後に、市町村合併についてお答えをいたします。 市町村合併による地域の一体的整備の推進や行財政基盤の強化は過疎対策の重要な方策の一つであり、また地方分権推進のための受け皿づくりという趣旨からも避けて通れない問題であります。 特に本県は過疎化、高齢化が進行し、財政基盤の脆弱な市町村が多いことから、市町村合併を真剣に推進する必要があると考えております。しかしながら、市町村合併を考えるに当たっては、それぞれの市町村の長い歴史や地理的、地形的条件などを考慮するとともに、住民のコンセンサスを得ていくことが極めて大切であります。 国におきましては、来年三月の市町村合併特例法の期限切れを控え、合併に係る財政特例措置の拡充や住民の発議制度の創設などの自主的合併の推進策等を検討しているところでございます。 したがいまして、県といたしましては市町村の意向を十分踏まえ、国の検討状況をも見守りながら、合併と同様の効果をもたらす広域行政や一村一風運動などを推進することにより合併機運の醸成を図るなど、積極的な対応を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○友岡春夫議長 木内企画総室長。 〔木内企画総室長登壇〕 ◎木内喜美男企画総室長 まず、国と地方の役割分担の見直しにつきましてお答えいたします。 これまで地方分権がなかなか実現しなかった原因といたしましては、中央集権的な行政システムによります全国画一的な行政や省益優先の縦割り行政、あるいは国の地方に対する不信感、地方の中央依存体質など、さまざまなものがあると言われております。 国におきましては、本年二月に中期行革大綱を閣議決定し、「国、地方の関係等の改革に関する大綱方針」を平成六年度内をめどに策定し、その後、基本法の制定を目指すこととしております。この中で、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理し得るようにすることを基本とし、国、地方の機能分担を見直し、権限移譲や国の関与の廃止、緩和を進めますとともに、地方の税財源の充実強化等に努めることとなっております。 いずれにいたしましても、地方分権の推進は大きな流れとなっておりますので、地域住民が豊かさを実感できるような地域社会の構築に向けまして積極的に対応してまいりたいと考えております。 次に、第三セクターヘの出資についてお答えいたします。 今後のFAZの推進についてでございますが、本年一月に設立されました大分県FAZ推進協議会に第三セクター設立準備部会等の部会を設けまして、現在、計画の具体化に向けて実務的な取り組みを行っておるところでございます。 この運営主体には民間を主体としました株式会社を設立することとし、当初四億円の出資を考えているところでございますが、その内訳は県と市で三分の一、国と民間で三分の二ということで考えております。 また、民間の出資につきましては、おおむね計画の額を確保できるという感触を得ているところでございます。 この第三セクターは、ポートセールスのほか、物流支援施設等の整備、運営を行うこととなりますが、民間出資者の熱意も踏まえましてできるだけ早い段階に立ち上がらせたいと考えておりますので、県の出資等につきましても今後、第三セクターの事業計画が固まった時点でご提案させていただきまして、趣旨説明会等の諸手続を経て、十月ぐらいに設立を目指してやってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今後、港の間の競争がますます激しくなることが予想されますので、県といたしましても関係者と一体となりまして、第三セクターの運営を積極的に支援してまいりたいと考えております。 最後に、FAZと流通業務センターの機能分担についてお答えいたします。 FAZの業務施設といたしましては、上屋、冷蔵倉庫、普通倉庫、薫蒸施設等を考えておるところでございますが、これらにつきましては第三セクターが整備し、それを業者が利用するという形を想定しているところでございます。 一方、流通業務センターにおきましても同様の施設が考えられますが、これらは基本的には各業者が独自に整備する、そして利用するということになろうかと思います。したがいまして、こうした業務施設につきましては基本的に重複は生じないものと考えております。しかし、会議室ですとか研修施設、展示場等の業務支援施設につきましては機能的な競合も考えられますので、こうした施設の整備に当たりましては、業者が連携をとり合い、機能分担に十分配慮しながら効果的な運営が図られますよう検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆仲道俊哉議員 議長。 ○友岡春夫議長 仲道俊哉君。 ◆仲道俊哉議員 自席から質問させていただきますが、総務部長にお聞きいたしたいと思います。 選挙制度についてですが、今、三点ですね、人口バランスと歴史的なものと広域的なものということで、基本的な考え方があったわけでございますが、四名をやはり確保したいと、これはやはり我々大分県民としてもですね、それでなくても減るわけでございますので、これは基本だろうと思います。 そうしますと、四名を確保するためには、新聞で出ておりました海部案だと、やはり大分市を分割しなきゃならないという案が出ておりました。そういう意味では、大分市を分割するというあの海部案で一つの私は問題点としては、大在から向こうの一部分だけを分割するという案になっておりましたが、やはり大分市のその一部分の市民としては何かまま子扱いされたような、そういう感じがしないわけでもないわけで、そういう意味では、もし大分市を分割するとすれば、そういうまま子扱い的なことじゃなくて--私は分けざるを得ないと思いますが、もう少しそういう意味を考慮した分割の方法というのも考えられる余地があろうと思うんですね。そういう意味で、もしご答弁ができれば答弁、そういうことでの自治省に対してどういう提言を、答申をしたのかですね、もしご答弁ができねば、もう、一つの参考意見としてお聞きをいただければよいと思います。 いま一つは、国からの権限移譲で、市町村に権限移譲するという点で問題点は、一つは意識の問題で、職員が県から、まあ国から県、県から市町村としますと、それでなくても市町村からの人たちが全部、今度はまた県を通して国ということになるわけですね。だから、非常に手続上は煩瑣になるような感じがいたすわけです。 例えば、一つの例を申しますと、今、パスポート、旅券をそれぞれの地方振興局でしている。大変便利にはなっておるんですが、佐伯なら佐伯の振興局に手続をしますと、それは全部、直接国との交渉じゃなくて県を通して、県の本庁からまた外務省に行くということになりますから、今までの旅券の手続からしますと非常に長くなるわけですね、実際の申請をしてから交付までが長くなる。手続がそういうことになるわけで、そのことが私はほかの、今度市町村になったときもそこのところをよほど考えないと、確かに便利にはなるけど非常に、そういう意味では事務的な煩瑣な面が出てくるんじゃないかなと。現にパスポートでそういうことが、大変困ったという、なかなか出なくてですね。そういう例を私は身近に知っておるもんですから、あえてこの例を出さしていただいたわけでございますが、そういう点についての十分なこれからの配慮が必要であろうと。そういうことで、答弁ができなけりゃ、もうよろしゅうございます。 ○友岡春夫議長 それじゃ意見として……。 以上で仲道俊哉君の質問に対する答弁は終わりました。 吉山和人君。 〔吉山議員登壇〕(拍手) ◆吉山和人議員 平成六年第二回定例議会に当たり質問の機会を与えていただき、感謝をいたします。 まず、日ごろ県勢発展のためにご尽力を賜っております知事を初め県職員の皆様方に心より敬意を表します。 では、通告に従いまして、以下、県政諸般の事項についてお伺いをいたしますので、関係部局の誠意あるご答弁を求めます。 まず、教育についてであります。 県教育委員会は、昨年の春以来、県下における教育改革の一環として高等学校の入学者選抜制度の改革に取り組み、県民総がかりとも言える論議の中で紆余曲折を経て、平成七年度入学者選抜実施要項を決定いたしました。私は昨年の第四回定例議会におきまして、県教委の目指す入試改革を含む高校教育の改革に多くの問題点を指摘してまいったところであります。加えて、多くの議員の皆さんや五十九万人に及ぶ県民の署名による問題点の指摘の結果、県教委は若干の手直しと試行期間の設定によりまして、今日に至っています。 私は今なお、県教委の意図する方向が教育の改革の名に値するか疑問でありますが、ここで今さらその論議を行うつもりはありません。事は動き出したのでありますから、この新入試方法が子供一人一人の成長過程の一つの重要な段階でより効果的に、かつ円滑に進められることを願いながら、次の事項数点について県教育委員会としてのお考えをお尋ねいたします。 まず、その冒頭に、県政の中枢に総務部長としておられ、このたび教育長に就任なさりました帯刀教育長に心からお喜びを申し上げます。聞き及ぶところによりますと、教育長は就任以来二カ月、公務多忙の中で委員会の各課によります説明や学習、また学校現場の実態把握のため分校や定時制高校、または障害児学校を含め県下の小、中、高を精力的に訪問しているとのことであり、その熱意に敬意を表するとともに、また大きな期待もしているところであります。 教育の原点は日本国憲法の精神の具体化であり、その基本は教育基本法にあることは言うに及びません。教育は人類普遍の大事業であるだけに、洋の東西を問わず重要視されてきました。「教えることは希望を語ること、学ぶとは誠実を胸に刻むこと」、これは、ナチスによる占領のもとで、フランスの解放をストラスブール大学の再興に重ねてアラゴンが歌った詩の一節であります。教育や学問の人間的意義を的確に表現しています。物を生産する業務と異なり、希望や未来を語り、誠実を胸に刻むことによって人の心をはぐくみ、人の思想を育てることが教育の本質であることを示しています。 また、本県が輩出した近代日本文明の先覚者福沢諭吉先生は、「教育の要は、人生本来に無きものを造りて之に授くるに非ず。唯有るものを悉皆発生せしめて遺すことなきに在るのみ」と言っています。これは、一人一人の持っている個性を尊重し、能力を余すことなく開花させることこそ教育であると言っています。 近年、情報化、国際化、高齢化、社会的変化が急速に進展しつつあります。そのための人づくりも緊急な課題となっております。それだけに、ともすれば、時代に対応するためにといって即効的な、対症療法的な教育改革が教育の改革に値しない形で行われようとすることもままあります。「すぐ役に立つ教育は、すぐ役に立たなくなる」と言われます。時代や社会や科学技術の進歩は日進月歩、それに対応できる人づくりこそ、今の時代が求めている教育でありましょう。知識より知恵を持つ人間を、多くの情報を分析処理し生活に生かし得る能力を持つ人間づくり、人間の尊厳と生命に畏敬の念を持ち、平和を守り、こよなく愛する人づくり、これらが今、時代の要請する教育であると思います。 教育長は、いまだ就任なさってわずか二カ月でありますが、今後、教育行政のトップとして大分県教育を先導される立場として、教育に対する所信をお伺いいたします。 次に、新高校入試実施要項について、数点にわたってお伺いします。 まず第一点は、実施要項の決定に至る経過であります。 学校現場における検討は四月中旬から五月中旬に向けて行われ、県教委への提出は五月二十七日であったと聞いています。県教委はこれを受けて、六月二日より各担当指導主事より各学校の指導を行い、六月十三日に最終修正を行い、六月十七日に教育委員会に提示、決定と理解しています。 この日程から考えますと、学校現場における検討期間はわずか一カ月、県教委での期間は三週間でしかありません。子供たちの一生を通じ、その一生を左右しかねない入試の実施要項の決定であるだけに、子供やその両親、そして関心のある県民から見れば、常識的な判断として極めて検討期間が短く感じるでありましょう。私も、事の重要性にもかかわらず、時間不足を否定し得ません。県教委はこの点についてどのようにお考えか、教育委員長にお伺いいたします。 第二点目は、実施要項の作成に当たって、その中から障害児学校が該当から外されています。 従来どおり障害児学校高等部の入試は別個に行うということであるようですが、完全参加と平等という障害者に対する国際的な潮流からも理解できませんが、何か教育的な配慮があってのことか、お伺いいたします。 第三点目は、推薦制度の導入についてであります。 今回の実施要項のまとめによりますと、推薦制度を導入する高校は、定時制の四校を除き六十四校となっており、緑丘、佐伯鶴城の体育を除き六十二校で推薦Bを実施することとなっています。 この制度導入については、学校の主体性、独自性を尊重するとはしたものの、かなり強力な指導がなされたやに聞いています。学校長への指導が、とりあえず推薦制の導入を決定して、推薦要件や合否の基準等の検討は後回しにさせたと聞きますが、順序が逆転しているのではないでしょうか。その結果は、職員の総意を押し切る形で導入した学校も多数あるとのことであります。今後の学校運営にも影響するのではないかと危惧されますが、県教委としてはどのように状況を把握しているのか、お伺いいたします。 次は、推薦の要件についてであります。 その一つは、推薦要件の具体性についてであります。 各校の要件を見ますと、例えば「スポーツ活動において優秀な実績を持つ者」または「人物がすぐれている者」とか極めて抽象的に示されており、具体性、客観性に欠けております。推薦制度の不透明さを感じますが、どうお考えですか。 二つ目は、健康を要件にしている学校がありますが、若干の病弱な体質であっても就学を希望する以上は、他の推薦要件で推薦に値すれば就学の機会を与えるべきで、殊さら健康を要件に就学を拒否することは教育を受ける権利の侵害になりかねないし、また、ともすれば身障者差別の問題も起こりかねないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 三つ目は、入学後のクラブ活動の継続を要件としている学校もあります。 これは、その生徒の高校三年間の生活を縛ることを強制し、多くの問題を残すと思いますが、お考えをお聞かせください。 四つ目は、推薦要件が具体性、客観性に欠けるということになれば、前期試験の推薦不合格者の中で、ともすれば情報公開の要求が出されることも想定しなければなりません。県教委としてはこの公開要求に応じる用意があるのかどうか、お考えをお聞かせください。 入試制度については以上で終わり、次に、教職員の海外研修の取り扱いについてお伺いをいたします。 近年、国際化の流れは文化や物、人の往来と拡大の一途をたどっており、とりわけ最近では若者を中心に海外へ出かけることがブームになっております。昨年一年間で海外へ出かけた人々は全国で約一千百九十三万三千人、県内では六万二千五百五十二人で、出国率五・一%となっています。この中で本県の県立学校教職員では、平成四年には三百四十三人、平成五年には四百二十六人の人が海外に出かけ、見聞を広めてきています。 海外に出かけ、それぞれの国の人々と交流し、その国の文化や歴史、経済に触れることにより見聞を広めることは、国民相互の理解を深め、国際親善や我々の国際感覚を養うこと大であることは言うに及びません。とりわけ二十一世紀のボーダーレス時代を担う人間、すなわち現在の児童や生徒の教育に従事する教職員にとっては、これからの国際的進展の中で海外旅行による見聞の拡大は一段と必要となってまいります。 このような状況のもとで、昨年度海外旅行者中、職専免、いわゆる職務専念義務免除で出かけた県立学校教職員は、いわゆる県教委が研修と認めた数は八十九名であります。年休等が三百八名、慶弔休暇が二十九名となっています。 ここで私は問題と思うのは、職専免、いわゆる研修で出かけた人数が八十九名の少なさであります。今や国際化が叫ばれ、その教育に携わっている教職員の海外研修をわずか八十九人しか職専免を認めていない県教委の国際感覚を疑いたくなります。それは、職員の自主的海外研修を夏、冬等の長期休業中に限定し、さらに主催者団体等で制限を加えるなど、教育公務員特例法第十九条、二十条の研修促進の方向に逆行する方向がとられているからではないでしょうか。この国際化の流れの中で、もう少し教職員が他国へ自主的に研修に出かけられるように条件整備をする必要があると思いますが、いかがお考えか、お伺いいたします。 次は、ボランティア活動についてであります。 近年、勤労者の時短に伴う余暇時間の増大、高齢化の進展等によって国民のボランティア活動への関心が高まってまいっております。 平成五年度の厚生白書によりますと、市町村の社会福祉協議会に登録され、または把握されているボランティアの数は四百二十八万人で、十年前の二・五倍となっております。また、ボランティアグループの数も約五万三千グループと近年、急速な伸びを示しています。 アメリカのマスコミ「ニューズウイーク」の主張によりますと、七〇年代はミーの時代、いわゆる自分の時代、八〇年代は利益追求の時代、九〇年代はボランティアの時代と整理をしています。まさに九〇年代はボランティアの時代であります。そしてボランティアの活動領域は広がってきており、生活全般にかかわってきているのが現状であります。ボランティア活動者の二五%を占めるといわれる福祉ボランティアを初め、生涯学習の担い手である学習ボランティア、まちづくりに携わる自治ボランティア等、そして現在では企業も労働組合も積極的に取り組みを始めております。 このような状況のもとで、国は平成四年の社会福祉事業法の改正を初め、参加型福祉社会の実現に向けて、より多くの人々の自主性に基づくボランティア活動への参加促進や福祉教育の充実、ネットワーク体制の整備など諸施策を進めています。 また、本県においても、福祉ボランティア活性化事業やふれあいのまちづくり事業、市町村ボランティアセンター設置事業等、積極的に事業展開を行っていることは高く評価しているところであります。 しかし、ボランティア活動が活発になれば当然、それに付随して課題も多くなります。全社協の調査では、ボランティア活動に参加したいと思う人の割合は二三・二%に上っています。しかし実際に活動を行っている人々は三・三%であり、大きな開きがあることを指摘しています。厚生白書では、行政でのボランティア活動を振興するためのさまざまな基盤整備を行っていく必要のあることを訴えています。 そこでまず、県としてボランティアの量、質、それを促進させる条件整備など総合的なビジョンをお聞かせください。 そして、以下三点について具体的にお伺いをいたします。 一つ目は、ボランティア活動を社会的にいかに認めさせるかであります。 社会的認知や社会的地位を確立することは急務であります。そのための要因のーつとなるのが、ボランティア活動に伴う休暇制度の創設であります。 現在、この勤労者のボランティア休暇制度の実施状況は、全国的に把握できていない状況のようであります。本県でも本年度の労働福祉実態調査で調査予定のようですが、静岡県における平成五年七月の調査によりますと、実施率一・三%であり、すべて民間企業となっています。 また、近年、若年層にボランティア活動が定着し始め、それを受けて何らかの措置をしているようですが、現在、JYVAという社団法人日本青年奉仕協会というのがあるんですが、ここの事務局長さんは大分県の国東出身の祐成さんという事務局長さんですが、この人の話によりますと、短期大学ではボランティア休暇を認めないし、四年制大学では、休学は認めるが、授業料納入義務が条件と聞いています。このような状況では、まだまだ社会的に認められ、社会的地位が確立しているとは言いがたいようです。 そこでまず、「隗より始めよ」という言葉があります。大分県が率先して県職員や県教職員などにボランティア活動を援助、促進するための休暇制度を実施する考えはありませんか。また、芸短大において学生にボランティア活動の休学を認めることはできませんか、お伺いいたします。 二つ目は、活動の場づくりであります。 ボランティアの専門家によりますと、「ボランティア講座は、もういいかげんに必要はない。それよりは実践時代だ」と言っています。多様な活動メニューの提示、ボランティア情報、相互連携の強化など県下ではどうなっていますか、また県当局としてそれをどのように指導またはかかわっているのか、お伺いいたします。 三つ目は、専門家の活用による活動の質的な向上であります。 ボランティアは、従来の資産家が行ったり、力のある者が助けるという考えから、助け合いはだれでもできると、考えが変化してきています。したがって、量的な拡大とともに運動は盛り上がりを見せていますが、しかし、自称ボランティア運動をしている人が電車等への乗車時に席の先取りに走るなど質的な深まりはなく、日本にはボランティア運動はあるが、ボランティアライフはないと言われます。質的な向上は、専門家とアマチュアボランティアの連携を図ることが重要であります。県下における状況と今後の対策をお聞かせください。 最後に、高齢者、障害者に優しい地域づくりについて、とりわけ道路行政の歩道と車道のかかわりについてお尋ねをいたします。 私は昨年六月の第二回県議会におきましても、道路行政と交通弱者についてお尋ねをいたしました。県当局、とりわけ土木建築部の道路行政を担当している皆さんのご努力には頭の下がる思いをしているわけですし、確かに歩道の改良はかなり進んでおり、感謝をしています。それにもかかわらず、高齢者や障害者の方々からは道路改良の声が多く上がってきますし、また自転車通学の高校生等の実態を見ますと、凹凸を避けて車道を走る等、極めて危険な状況が見られます。 そこで、昨年に引き続いてお尋ねするのですが、その第一点目は、平成四年度から取り組んでいる自転車歩行車道改修事業の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。そして、歩道と車道の接点での車の入り込みのため、歩道部のスロープ化は全面的に廃止はできないのでしょうか。 三つ目に、または歩道と車道との平準化はできないのでしょうか。 四つ目に、視覚障害者用の点字ブロックの設置については、その色とか形、施設位置、どのような基準で設置しているのでしょうか。 最後になりますが、点字ブロックの上の障害物、車、商品等については極めて危険であります。その啓蒙や除去についてはどのようにしているのか、お尋ねをいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○友岡春夫議長 ただいまの吉山和人君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 吉山議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 ボランティア活動についてでございます。 高齢化、核家族化、少子化等が進行する中で、高齢者を初め障害を持った方々や子供たちが地域社会の中で安心して暮らしていくためには、地域に住む人々がお互いに支え合い、県民の一人一人が豊かさを実感できるぬくもりのある地域社会の実現が大切でございます。そのためには、公的な福祉サービス供給体制の充実とあわせまして、地域住民、老人クラブなどの民間の諸団体、また企業などのボランティア活動の果たす役割は大変大きなものがございます。 私は、このボランティア活動の方々の福祉に占める位置を非常に高く考えまして、福祉会館の中にボランティアの人たちの集まる会合の場所も設けたところでございまして、ボランティアの方々のお互いのネットワークの推進ということも努めているところでございます。 また、ボランティア活動は対価を求めるものではございませんで、活動に参加することで自分自身を取り戻す、また生き生きとした人生を歩む生きがいというものまで高まっておるわけで、大変評価をいたしておるわけであります。ボランティアをすることによって自分自身の生きがいを求めるという生き道を求める方も多いようであります。 県職員におきましても、こうしたボランティア活動に率先して参加をしまして、また地域社会に貢献していくことが大切だということでございまして、実践をしておる職員の皆さんには常々から感謝を申し上げているところでございます。 ボランティア休暇制度でございますが、今後、国におきまして国際社会への貢献という観点から研究するということを私も聞いておるところでございますが、現在のところ職員の休暇制度は、地方公務員法によりまして国や各県との均衡を図ることとされておりますことから、現在の時点では本県独自で対応することは難しい状況にございますので、職員の方にはこれまでと同じように休日や年次休暇等を利用しての活動になるわけでございますので、この点ご了解を承りたいと存ずる次第でございます。 また、芸術文化短期大学のボランティア活動についてでございますが、短大の入学試験特別推薦制度でボランティア活動をしている活動者の方を積極的に評価をする、また授業科目の中でもボランティア活動を取り上げておりまして、学生が休日や夏季休暇の時間を利用してさまざまな形で活動に参加をしているところでございますので、積極的にこういった点をこれからとも各分野で、議員のご指摘を踏まえて進めてまいりたいと考えているところでございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○友岡春夫議長 清水教育委員長。 〔清水教育委員長登壇〕 ◎清水喜徳郎教育委員長 実施要項決定に至る経過についてご答弁申し上げます。 平成七年度の高校入試実施要項は去る三月三十一日に発表したところであり、その際、未定でありました各学校ごとに定める事項については、三月四日の暫定措置決定の折に七月までに決定する旨を公表いたしております。 また、その作成については、四月六日の臨時校長会議で五月二十七日までに提出を指示しているところであります。 さらに、六月五日から六月十六日の間、県教育委員会と学校で十分に協議を重ねたものであり、検討時間の不足があったとは考えておりません。ご了解を賜りたいと思います。 以上で終わります。 ○友岡春夫議長 帯刀教育長。 〔帯刀教育長登壇〕 ◎帯刀将人教育長 まず、教育に対します所信についてのお尋ねにお答えをいたします。 近年の国際化、情報化、高齢化等の社会の急速な変化の中で、教育に対しても社会の変化に適切に対応できる人づくりや生涯学習社会の形成が一層強く求められております。 これからの教育は、二十年、三十年先を見通し、未来社会に柔軟かつ主体的に対応できる人づくり、すなわちみずから考え主体的に判断し行動できる、心も体もたくましい人材を育成していく必要があると考えております。そのためには、みずからの力で知識を獲得できるよう、みずからの力で育つことを援助し、一人一人の子供が将来の活動に備え、本当に実力をつけるための教育が進められなければならないものと考えております。 今後とも、県民に信頼され、その期待にこたえ得る教育行政になりますよう積極的に諸施策を推進してまいる所存でございます。 次に、障害児学校についてお答えをいたします。 障害児教育諸学校の選考につきましては、従来から、高等学校入学者選抜実施要項とは別に、障害児教育諸学校高等部入学者選考要項を定めまして実施をしてまいっておるところでございます。 障害児教育諸学校の本年の実施要項は、例年どおり十月に発表する予定でございます。各学校におきましては、この実施要項に基づきまして具体的な募集要項を作成をいたしまして選考することといたしております。 入学者の選考に当たりましては、障害児一人一人の障害の種類や程度、個人の資質や能力等を適正かつ総合的に判断して、きめ細かい選考が行われるよう努めているところでございます。 次に、推薦制度の導入についてお答えをいたします。 推薦制度に関しまして各学校ごとに定める事項につきましては、学校におきまして慎重な検討、審議を経まして提出されたものであります。学校との協議に当たりましては、学校長の要望もございまして、できるだけ各学校で決定した内容を尊重しつつ、文言の統一、文意の明確化等について指導したものでございます。 以上のような経緯を踏まえまして決定されたものでありますので、ご理解をいただきたいと存じます。 次に、推薦の要件でございますが、具体性等のご指摘の点につきましては、推薦要件は各学校の実態、学科の特色等に照らしまして慎重に審議したものであり、具体性に関しまして学校間に差異が生じておることもあり得ると考えております。 また、健康を要件にしている件でございますが、このことは、申し上げるまでもなく、単に修学に耐え得る健康状態であるかどうかを問うているものでございます。 次に、部活動継続の件につきましては、あくまでも出願時におきます継続の意思を確認するものでありまして、将来にわたって強制的に拘束する性質のものではございません。 最後に、情報公開の件でございますが、推薦入試にかかわらず、入学者選抜にかかわります事項を開示いたしますことは、今後の入試実務に当たりまして公正、円滑な執行に支障を来すと予想されますので、開示をすることは考えておりません。 なお、推薦入試の実施に当たりましては、説明会等を通じまして、高等学校と中学校の連携を密にいたしまして円滑に実施されるよう指導してまいる所存でございます。 最後に、教職員の海外研修の取り扱いでございますが、教職員が諸外国の教育、文化及び社会等の実情を視察し、国際感覚を身につけることは大切なことと考えております。県教育委員会といたしましても、各種の海外研修を実施しているところでございます。 議員ご指摘の、いわゆる自主的な海外研修を職務専念義務を免除して取り扱うことにつきましては、職務に専念する義務の特例に関する条例及びその他の関係法規の趣旨を踏まえまして、直接授業に支障のない長期休業中であること、その研修内容が本人の職務に密接な関係があること、研修成果が職務遂行に役立つものであることなどの観点から総合的に判断し、決定をいたしておるところでございますので、ご理解をいただきたいと存じます。 以上でございます。 ○友岡春夫議長 魚返福祉生活部長。 〔魚返福祉生活部長登壇〕 ◎魚返敬之福祉生活部長 ボランティア活動につきましてお答えをいたします。 まず、活動の場づくりについてでございます。 ボランティア活動に参加したい人々に活動の場を紹介し、活動に関する相談などに応じるために、県社会福祉協議会内にボランティアセンターが設置をされております。ボランティアセンターでは、手話や点訳などボランティア活動メニューの紹介、地域や企業におけるボランティアグループの養成を行いますとともに、啓発広報のためのボランティア大会の開催、ボランティアグループ相互の情報交換なども行っております。 また、町村における各種グループの連絡協議会を設置いたしまして、グループ間の連携を深めておる町村もございます。 また、現在、小学校など百九十六校をボランティア協力校として指定をいたしまして、児童・生徒の福祉に対する理解や他人に対する思いやりの心をはぐくんでおりますほか、安心してボランティア活動を進めていただくためにボランティア保険の加入を勧めまして、現在県下に約一万五千人が加入をし、活動をいたしております。 さらに、今年度から新たに市町村ボランティアセンターを設置するなどいたしまして、県民のボランティア活動の啓発を図りますとともに、活動の場づくりなどを促進をしていく考えでございます。 次に、活動の質的な向上についてでございます。 県といたしましては、専門的な技術を要する手話、点訳・朗読などの奉仕活動の技術向上のために講習会などを開催いたしますほか、ボランティアのリーダーやコーディネーターの研修を実施いたしておりまして、そのリーダーなどが地域に帰り、ボランティアグループの中で自主的な勉強会を行うなど、質的な向上も図られているところでございます。 ボランティア活動を続けていく中で他の分野のボランティア活動にも参画するなど幅広く活躍されている人も多数いらっしゃいますし、また、他の人のためにと始めた奉仕活動が結局は自分を高めることにほかならないと、こういった声も多くの方々から聞いております。 今後とも、専門的な技術の向上と優しさや思いやりの心をはぐくむような実践的な研修を充実させまして、ボランティアの資質の向上を図ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○友岡春夫議長 矢野土木建築部長。 〔矢野土木建築部長登壇〕 ◎矢野善章土木建築部長 道路行政と交通弱者についてお答えいたします。 まず、自転車歩行者道改修事業の進捗状況についてでありますが、当面、緊急を要する箇所三十三・六キロメートルを平成八年度までの五カ年間で整備することといたしております。そのうち、平成五年度末現在で十三・一キロメートルが整備済みでございまして、進捗率は約三九%でございます。 次に、歩道と車道との平面化についてでございます。 市街地の既存の歩道の段差解消につきましては、沿道の宅地等の利用状況により、困難な箇所もございますが、可能な箇所につきましては、自転車歩行者道改修事業により計画的に歩道の切り下げを行い、段差の解消やスロープを緩やかにするように努めております。また、新設する場合、市街地の幅の広い歩道や山間部の歩道を除き、人家連檐区域や将来、沿道利用が予想される区間につきましては、可能な限り段差のないフラット方式の歩道を整備し、歩道と車道との平面化に努めているところでございます。 次に、視覚障害者用の点字ブロックの設置基準についてでございますが、社団法人日本道路協会の視覚障害者誘導用ブロック設置指針に基づき、弱視者が判別しやすいよう原則として黄色の突起のあるブロックを使用するようにいたしております。 次に、点字ブロック上の不法占用物件につきましては、各道路管理者において定期的にパトロールを実施いたしておりますが、その都度、除去するよう指導いたしておりますけれど、自転車、商品などは一時的なものでございまして、現実的にはなかなか難しい面もございます。利用者の意識改革も必要かというふうに考えておるところでございます。 今後とも、市町村など関係機関の協力を得ながら不法占用物件の除去を行うとともに、広報活動を積極的に行いまして、障害者が安心して通行できるよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○友岡春夫議長 再質問はありませんか。--以上で吉山和人君の質問に対する答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○友岡春夫議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑は終わりました。     ----------------------------- ○友岡春夫議長 以上をもって、本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。     ----------------------------- ○友岡春夫議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後二時五十分 散会...